人工臓器
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LVAD施行時の各種抗凝固療法と血液凝固の制御
高浜 龍彦金井 福栄大西 清成瀬 好洋Y. KANEKO古瀬 彰吉竹 毅
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1994 年 23 巻 1 号 p. 52-55

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抄録
LVAD施行中の抗凝固療法について、抗トロンビン剤(heparin. argatroban)投与、protease inhbitor (nafamostat mesilate)投与、抗血小板剤(prostacyclin誘導体、thromboxane A2合成酵素阻害剤)投与、前二者の併用投与、plasmin剤(urokinase)投与などの系統別に比較検討を行い、次のような結果が明らかとなった。heparin、argatrobanなどの抗トロンビン剤は出血傾向を生じる。urokinase単独投与はDICを惹起する可能性がある。nafamostat mesilateは単独投与で内因系血液凝固システムの賦活化を生体の代償範囲内に抑制可能であり抗凝固剤として使用可能であるが、thromboxalle A2合成酵素阻害剤の単独投与では不十分である。nafamostat mesilateに、thromboxane A2合成酵素阻害剤、または、prostacyclin誘導体の併用投与が最も理想的な抗凝固療法であると考えられる。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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