人工臓器
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マイクロダイアリシス・サンプリング法を応用した血糖モニターシステムの開発
―血糖変動への追随性について―
橋口 恭博榊田 典治一ノ瀬 賢司西田 健朗上原 昌哉上村 毅郎梶原 研一郎七里 元亮
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1994 年 23 巻 2 号 p. 490-494

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抄録
マイクロダイアリシスサンプリング法を応用した本システムの血糖変動への追随性を詳細に検討した。i)in vitro 系;90%応答時間はメディウム中ブドウ糖濃度上昇時5.6±0.4分、下降時7.4±0.5分であった。ii)in vitro 系;皮下組織ブドウ糖濃度(Y)は血糖値(X)に比し、血糖上昇時6.9±1.2分、下降時8.8±1.6分の遅れにて追随し、両者の相関はY=1.08X+3.42(r=0.99)であった。長期応用時、一点較正なく計測した場合、5日目以降の回帰直線は開始日より4日目までのものに比し有意に傾きが小となるも、5日目以降一点較正を行うか、5日目にプローブ交換し計測した場合、5日目以降のものは開始日より4日目までのものにほぼ一致した。以上より、本システムは血糖変動への追随性について優れた特性を有し、組織ブドウ糖濃度の計測法として極めて有用であり、臨床応用にさらに近づいたといえる.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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