人工臓器
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Stroma-Free Hemoglobin評価法としての赤血球型物質酵素免疫測定法の確立
仲井 邦彦阿部 英樹高橋 恒夫関口 定美
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1995 年 24 巻 1 号 p. 211-215

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抄録
Stroma-free hemoglobin(SFH)に残存する型物質を定量する目的で, A型赤血球よりglycophorin Aを精製し標準物質およびコーティング抗原として用いる酵素免疫測定法(EIA)を確立した. 検出感度は0.3ng/wellであり, 従来の型物質検出系である赤血球凝集抑制試験(HAI)に比較して10倍程度向上した. 現在代表的なSFH調製法となっているRabinerらの方法, 更に改良を加えた加熱法, 酸処理法, クロロホルム抽出法, 限外ろ過法によるSFHの評価を行ったところ, Rabinerらおよび加熱法によるSFHではEIAにより8.40-8.70ng/mgHbの型物質の残存が認められ, HAIでも陽性と判定された. 一方, その他のSFHはHAIにより陰性と判定されたが, EIAにより型物質残存量0.46-0.84ng/mg, 除去率99.98%以上であることが示された. 以上の結果から, EIAはSFHに残存する型物質を定量する上で極めて有用であり, 型物質の残存を指標としたSFHの品質管理が可能であることが示唆された.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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