人工臓器
Online ISSN : 1883-6097
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24 巻, 1 号
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  • 三井 利夫
    1995 年 24 巻 1 号 p. 1
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 瀬在 幸安, 三井 利夫, 西原 克成, 野一色 泰晴, 高橋 和裕, 山本 賢二, 孟 真, 井元 清隆, 近藤 治郎, 松本 昭彦, 小 ...
    1995 年 24 巻 1 号 p. 3-17
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 酒井 康行, 成瀬 勝俊, 長島 郁雄, 武藤 徹一郎, 鈴木 基之
    1995 年 24 巻 1 号 p. 18-23
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    体重10-15kgの肝不全ブタ用のハイブリッド型人工肝臓モジュールに必要とされる細胞数の1/4(2.5×109 cells)に相当する初代培養ブタ肝細胞スフェロイドを, 酸素供給用シリコンチュー・ブを装着した1-Lスケールのスピナーフラスコを用いて, 約1日で形成させることができた. このスフェロイドをディッシュレベルにおいて, さまざまな培養形態で10日まで培養した. スフェロイドをそのまま緩やかに浮遊培養(旋回培養)すると細胞数の減少が起こるが, 細胞当たりの機能発現は単層培養細胞の3-5倍であった. コラーゲンゲル包括スフェロイドは, 浮遊培養と比較して機能発現が低下する傾向にあった. 100%のブタまたはヒト血漿と直接接触させながら浮遊培養しても, スフェロイドのアンモニア除去能は合成培地中と比較しても, 全く低下が見られなかった.
  • 澤雅 之, 葛西 眞一, 紀野 泰久, 水戸 廸郎
    1995 年 24 巻 1 号 p. 24-27
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    肝細胞を利用したハイブリッド型人工肝機能補助装置の開発には、代謝リアクターである肝細胞の分離・保存、高機能化、適切なモジュールの製作、免疫反応の回避など多岐にわたる問題がある。教室では1970年代後半より遊離肝細胞を利用したハイブリッド型人工肝の研究に取り組み、ガラクトサミン誘導急性肝不全犬の生存時間延長に成功した。また同時に、中大動物ならびにヒトの肝細胞分離、さらには肝細胞の凍結保存にも取り組み、新鮮細胞では約90%、凍結保存細胞では約75%のviabilityを得るに至っている。さらに最近では、肝細胞の高密度培養法として、セルロース系多孔質マイクロキャリアの有用性を検討し、静置培養における肝細胞接着マイクロキャリアは単層培養肝細胞に比べて良好な代謝能を示すことを見い出した。しかし、中空糸膜モジュール内に封入された肝細胞接着マイクロキャリアは、灌流初期には静置培養と同様に負荷された物質を代謝したが、時間の経過とともに代謝能の低下がみられた。今後は、膜外スペースが大きい液槽型モジュールに肝細胞接着マイクロキャリアを封入し、その代謝能を検討する予定である。
  • 河村 剛史
    1995 年 24 巻 1 号 p. 28-29
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
  • 北村 昌也, 秋本 剛秀, 小柳 俊哉, 西田 博, 遠藤 真弘, 橋本 明政, 小柳 仁
    1995 年 24 巻 1 号 p. 30-32
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    雑種犬を用い同種内胸動脈(ITA;n=6)または自己ITA(n=5)による左鎖骨下動脈-左心耳シャントを行った。グラフト流量は剥離後摘出前(6-14ml/分)に比べ移植後30分(67-220ml/分)で有意に増加し、両群に差はなかった。移植後1ヶ月の平均流量は自己ITA(146.2ml/分)に比べ同種ITAグラフト(24.8ml/分)で少ないものの、同種ITAグラフト6本中5本、自己ITA5本全例が開存していた。同種ITAグラフトの組織所見では急性血管拒絶反応が認められた。適切な免疫抑制療法を併用した場合、同種ITAグラフトが小口径代用血管として臨床使用される可能性が示された。
  • 中山 泰秀, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 33-37
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    エキシマレーザーを用いて孔径および孔分布を調節した多孔質セグメント化ポリウレタンフィルムを作成し, これを基材としてin vitroにおいて血管内皮細胞の微細孔侵入による組織化過程をモデル化し, 定量的に解析した。ポリウレタンフィルムにエキシマレーザー光をフォトマスクを通して照射し, 微細直孔(直径7, 18, 30, 50, 80, 100μm)を各々一つ有する6種類の有孔質フィルムを作成した。フィルム片面にコンフルエントな細胞のシートを形成させ培養すると, 細胞は微細孔を通過してフィルム反対面に移動した。培養時間の経過と共に組織化領域は孔を中心としてほぼ円形に広がった。細胞数はコンフルエント領域から外縁に向かって徐々に減少した。フィルム表面の単位面積あたりの孔の総面積比が1/100になるように設計し, 多数の微細孔を開けた多孔質フィルムを作成し, 孔径差による内皮化の差を比較した。直径数十μmの孔の場合に細胞侵入, 内皮化が最も有効に起こった。
  • 高塚 旨寛, Y. LEE, 石橋 和幸, 菅原 隆, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 38-41
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    RGD (Arg-Gly-Asp)配列を有する接着ペプチド及びゼラチンにフェニルアジド基を導入し、光反応性の細胞接着マトリックスとしての有効性を検証し、接着ペプチド及びゼラチンを光固定化した人工血管を用いて移植実験を行った。基材表面を上記接着ペプチドで処理し、紫外光照射部と未照射部表面のX線光電子分析を行った結果、ペプチドが化学固定されていることが確認された。また細胞非接着性の親水性高分子を表面処理し、細胞接着性を観察したところ、紫外光照射部に細胞が選択的に接着した。光反応性ゼラチンについても同様の結果が得られた。表面修飾したポリウレタン製人工血管に内皮細胞を播種・培養後、犬頚静脈に移植した(2週間)。光反応性ペプチド及びゼラチンのいずれを用いた表面修飾の場合でも、細胞の接着・増殖による内皮化が短期間で進行した。本方法は、基材表面に共有結合された細胞接着床を簡便に作製する技術として有効と考えられる。
  • 平 光, 片岡 一則, 鶴田 禎二, 林 正男
    1995 年 24 巻 1 号 p. 42-47
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    内皮細胞の培養基材としてポリアミングラフト共重合体を、タンパク質吸着と関連づけて詳細に検討した。この共重合体表面上にウシ胎児血清(FCS)から吸着するフィプロネクチン(FN)、ビトロネクチン(VN)の吸着量を酵素免疫測定法(EHSA法)により定量したところ、コポリマー中のアミノ基含量の増加に従いFN、VNの吸着量が増加した。またFN、梱のVroman効果を評価したところ、FNにはVroman効果が現れ、時間経過に従い吸着量が減少したが、コポリマー中のアミノ基含量の増加に従いFNの脱着・交換は抑制され、コポリマーとFNの相互作用が強くなっていることが示唆された。さらにこのVroman効果の結果をもとにコポリマー表面上にFCSをプレコートし、そのプレコート時間を変化させ、内皮細胞の接着率、伸展率を評価したところ、このコポリマー上での内皮細胞の接着にはFNが、伸展にはVNがより効いていることが示唆された。
  • 長岡 昭二, 川上 浩良
    1995 年 24 巻 1 号 p. 48-51
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    長期血管内留置が可能な抗血栓性材料として臨床的に用いられている親水性ヘパリン化材料と細菌(E. coliおよびS. aureus)の相互作用を定量的、形態学的に評価した。対照試料であるPVC表面では菌の接着量は経時的に増大し、いずれの菌も粘着性多糖に覆われた細菌群(Biofilm)が形成された。一方、親水性ヘパリン化材料表面への菌の接着は著しく抑制され、Biofilmの形成も見られなかった。ヘパリン自体には抗菌活性が見られなかったことから、この材料はハイドロゲルであるため菌との疎水性相互作用が弱められることに加え、全体として陰性荷電を持つ細菌表層と材料表面に存在するヘパリンの陰性荷電間の静電反発力により細菌接着を強く抑制ものと考えられた。また、材料への血漿タンパク質吸着により菌の接着挙動は変化し、この場合には特異的相互作用が関与していることが示唆された。
  • 阿部 一彦, 鈴木 憲, 岡野 光夫, 桜井 靖久, 堀江 俊伸
    1995 年 24 巻 1 号 p. 52-58
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    HEMA-st ABA型ブロック共重合体(HSB)表面に室温にて5時間粘着した血小板形質膜グリコカリックス(GC)の微細構造の保存性にっいて透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて解析した。さらに、粘着血小板の超薄縦断面のTEM像を高解像度画像処理解析装置(IA)を用いて定量的に評価した。対照群として、PSt及びHEMA-Stランダム共重合体(HSR)表面を用いた。血小板GCはルテニウムレッドを用いて染色した。HSB表面に対する血小板はGCを足場にした狭小の空間を保持して粘着しており、その細胞全周のGCの微細構造は、intact血小板のそれと同様に良好に保持されていた。一方、PSt及びHSR表面に対する血小板は強固な粘着を示すように血小板GCの狭小の空間は観察されなかった。そして、その粘着血小板の外表面のGCはところどころ欠損して観察された。粘着血小板のTEM像のIAによる定量的評価においては、HSB表面はPSt及びHSR表面に比べて内部構造変化を著しく抑制していた。また、HSB表面での粘着血小板の貯蔵顆粒数はintact血小板のそれとの間に有意差はなかった。以上のことから、HSB表面はPSt及びHSR表面に比べて、GCの微細構造を良好に保持した血小板のsoft landingを5時間にわたり維持させ続けることより、粘着血小板の超微形態変化(内部構造変化及び放出反応)を著しく抑制することが示された。
  • 黒田 茂, 野尻 知里, 城戸 隆行, 千秋 和久, 永井 博史, 酒井 清孝
    1995 年 24 巻 1 号 p. 59-64
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々は既に抗血栓性材料のin vitro評価法として、蛍光顕微鏡、ビデオ、パラレル・プレート・フロー・チャンバーからなるepifluorescent video microscopy (EVM)を用いたリアルタイム評価法が有用であることを確認している。この方法を用いて6種類の異なるセグメント化ポリウレタン(PUs)の抗血栓性を評価した。蛍光色素で標識した全血をシリンジポンプにより壁ずり速度200sec-1で流し、1分毎に血小板粘着量を20分間測定した。ソフトセグメントが高分子量のPTMGより構成されるPUは低分子量のPTMGより構成されるPUと比較して血小板粘着・活性化を抑制したが、補体を活性化した。また、ウレア結合を持つPUUはPUよりも血小板粘着量が多く、血小板および補体のいずれも活性化した。以上から、PUsの化学組成が抗血栓性に大きな影響を及ぼしている可能性が示唆された。また、本評価法の使用により6種類のPUsの抗血栓性に差が認められたことから、本EVM装置が優れたin vitro評価法であることが示された。
  • 川上 浩良, 長岡 昭二
    1995 年 24 巻 1 号 p. 65-71
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    新規に合成された芳香族ポリイミド膜のガス交換能と血液適合性を評価し、新しい膜型人工肺材料としての可能性を検討した。化学イミド化法で合成された芳香族ポリイミドは有機溶媒に可溶となり、乾湿式相転換法により非対称膜の作成が可能となった。この膜は緻密な超薄膜層からなるskin層と支持体である多孔質層から構成され、臨床応用に可能なガス交換能を実現した。ガラス状高分子である芳香族ポリイミド膜は炭酸ガスに対し特異的な透過挙動を示し、供給ガス圧力の低下と共にガス透過性は著しく増大、膜型人工肺で問題となる低圧部での炭酸ガス除去が効果的に行われた。ポリイミド膜への血小板粘着はシリコーン膜、ポリプロピレン膜に比べ少なく変形も殆ど認められなかった。以上より、合成された新規芳香族ポリイミドの新しい膜型人工肺用材料としての可能性が示唆された。
  • 宮本 啓一, 中村 崇人, 下西 祥幸, 鴇田 昌之, 駒井 喬, 米川 元樹, 川村 明夫, 小林 直之, 宮下 警一, 坂下 栄治
    1995 年 24 巻 1 号 p. 70-73
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Cryofiltration療法により血漿中より除去されるクリオゲルの、ゲル形成機構における細胞型EDA(+)フィプロネクチン(EDA(+)FN)の役割を動的光散乱法を用いて分子サイズレベルから検討しだ。血漿性フィブロネクチン(血漿性FN)およびEDA(+)FNの拡散係数(D)を単一分子および入パリン添加状態で温度を変化させて測定し、Stokes-Einsteinの式から流体力学的半径(Rh)を求めた。10~15℃の温度領域で血漿性FNは自己会合しており、ヘパリンを添加してもRhはほとんど変化しなかった。EDA(+)F廊う場合も10~15℃で自己会合が見られたが、ヘパリンを添加すると5~20℃において約10倍、25~35℃にて約数100倍に会合体サイズが増大した。動的光散乱測定からFN分子の会合体サイズの検討が可能となり、クリオゲル形成時にEPA(+)FNとヘパリンが密接に関与している可能性が示唆された。また今回EDA(+)FN-ヘパリン会合体のEDA(+)FN分子の形態変化に由来する2種類の会合体形成機構モデルを考案した。
  • 中山 泰秀, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 74-78
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ハイドロゲルの表面固定化は医用高分子材料の表面改質・機能化の基盤技術の一つとして重要である。本研究では, エキシマレーザーを用いた新しいハイドロゲルの表面化学固定化法を開発した。基材とした2枚のポリエチレン(PE)フィルムの層間にポリ(N. N-ジメチルアクリルアミド)(PDAAm)をキャストし, 3層型の積層フィルムを作成した。これに波長193nmのArFエキシマレーザーのパルス光を照射すると, PE表面にPDAAmから構成されるハイドロゲルが形成されると同時に化学固定化された。ゲル化表面ではin vitroにおいて血小板の粘着が抑制された。中間層としてヘパリンを含有したPDAAmフィルム, あるいはヘパリンの水溶液を用いると, ヘパリンが固定ゲル内に包埋化, あるいは基材表面に固定化された。
  • 阿部 一彦, 鈴木 憲, 岡野 光夫, 桜井 靖久, 堀江 俊伸
    1995 年 24 巻 1 号 p. 79-84
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    HEMA-St ABA型ブロック共重合体(HSB)表面に室温にて10時間粘着した血小板の超薄縦断面の透過型電子顕微鏡(TEM)像を高解像度画像処理解析装置(IA)を用いて定量的に評価した。対照群として、PSt、HEMA-Stランダム共重合体(HSR)表面を用いた。材料表面と血小板との相互作用はマイクロスフィアカラム法を用いて行った。そのTEM像に対して、IAにより4つのパラメータ(幅、面積、球状の度合い、1μm2当たりの貯蔵顆粒数)について計測したのち、統計上の検定を行った。HSB表面はPSt、HSR表面に比べて血小板の超微形態変化を有意に抑制していた。HSB表面での、粘着血小板の貯蔵顆粒数とintact血小板のそれとに有意差はなかった。また、HSB表面と粘着血小板膜との間には血小板膜グリコカリックスを足場にしていると考えられる狭小の空間が観察された。以上のことより、HSB表面は10時間にわたり粘着血小板にsoft landingを維持させ続けることにより、その血小板の超微形態変化を著しく抑制することが示された。
  • 金 武男, 中村 崇人, 宮本 啓一, 鴇田 昌之, 駒井 喬
    1995 年 24 巻 1 号 p. 85-91
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工材料と生体細胞間で機能するBiointerface材料の開発を目的として、ゼラチンにアルキル鎖長の比較的長い脂肪酸基を導入した。水溶媒系の温和な条件下で、アルキル鎖長(Hexanovl, Decanoyl, Myristoyl)及び置換率の異なる9種のアシル化ゼラチンを合成することに成功した。試料ゲルの構造安定性を融点測定(落球法)により評価した。置換率27.5%のMyristoyl化ゼラチンゲルでは、未修飾ゼラチンゲルd6%)の31.4℃に対して、52.5℃という高融点が観測された。また、試料膜およびゲルの界面特性を接触角測定により評価した。導入した長鎖脂肪酸基の配向は、疎水的なフイルみ表面に対する親和性の向上に寄与しており、かつ、ゲルの最表面は親水性を示した。アシノレ化によって構造安定性の向上と両親媒性の付与が見られ、Biointerface材料として良好に機能することが期待される。
  • 寺町 政美, 榊原 巨規, 清谷 哲也, 滝本 行延, 奥村 典仁, 中村 達雄, 清水 慶彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 92-96
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    アルカリ可溶化コラーゲンを紡糸後、綿状化し、更に熱架橋を加えた止血材を作成し、その止血効果と組織反応を検討した。架橋条件として、130℃、6時間の熱架橋を行ったもの(熱架橋止血材)と、140℃、5時間の熱架橋後に25kGyのγ線照射を加えたもの(γ線止血材)との2種類を検討した。対照として、市販のコラーゲン止血材であるアビテン®と、酵素可溶化コラーゲンを原料とした綿状止血材(酵素止血材)を用いて比較した。止血効果は、酵素止血材、γ線止血材、熱架橋止血材、アビテン®の順に良好で、特にγ線止血材は、酵素止血材に匹敵する止血効果を示し、アビテン®より有意に良好であった。組織反応の検討でも、綿状コラーゲン止血材、特にγ線止血材は、異物反応を惹起せず、3週後にはほとんど吸収されていた。以上の結果から、アルカリ可溶化コラーゲン綿状止血材は適当な架橋を加えることで、今後臨床応用可能な局所吸収性止血材になり得ると考えられた。
  • 石橋 和幸, 中山 泰秀, 川副 浩平, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 97-101
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ゼラチンに光反応基としてベンゾフェノン基を導入した光架橋型ゼラチンに、架橋補助剤としてポリエチレングリコールジアクリレートを混入した止血剤を開発し、その局所止血剤としての有用性および腹腔鏡下手術への応用について検討した。ラットを開腹し肝臓表面に小切開創を作製した。十分に出血することを確認後、止血剤を滴下し石英製光ファイバーにてエキシマレーザー(KrF;248nm)光を照射した。止血剤は数十秒でゲル化し止血が完了した。光顕所見では、手術直後は切開創内にゼラチンは十分に入り込み血液の漏出を防いでいた。術後7日目には切開創内にゲルの残留はなく、組織はほぼ瘢痕化しており、周囲組織の変性、壊死などは認めなかった。新たに改良を加えた内視鏡を用いた腹腔鏡下実験において、光ファイバーを用いることによって、生体内の肝臓表面で止血剤をゲル化できることが確認された。以上のことより、光架橋型ゼラチンは止血剤としての有用性が示唆され、ファイバースコープにて止血剤および紫外光を誘導することにより胸腹腔鏡下手術に十分に臨床応用可能であると考えられる。
  • 中山 泰秀, 石橋 和幸, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 102-105
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ゼラチン側鎖に光反応性基としてベンゾフェノン基を導入した光架橋型ゼラチンを合成し, エキシマレーザー光照射によるゲル形成を行ない, 止血剤としての使用を検討した。光架橋型ゼラチンのリン酸緩衝溶液(20wt%)にKrFエキシマレーザーのパルス光(248nm, 50Hz)を数秒間照射すると水に不溶なゲルを生成した。ゲルの生成量はレーザー照射パルス数, 照射エネルギー密度の増加に伴って増加した。ゲルの水に対する膨潤度は架橋補助剤として用いたポリエチレングリコールジアクリレート(分子量約4000)の添加量の増加に伴って減少した。ラットを開腹し肝臓表面への小切開創の作成により出血させた後, 光架橋型ゼラチンと架橋補助剤とのリン酸緩衝溶液を塗布しレーザー光を照射すると, 速やかにゲル化が起こり止血が肉眼的, および組織学的に確認できた。1週間後にはゲルは消失し, 生分解された。エキシマレーザー光照射によって光架橋型ゼラチンは腹腔鏡下手術での止血剤として利用できる可能性が示された。
  • 松田 捷彦, 伴 敏彦, 北村 惣一郎, 山里 有男, 武内 俊史, 織田 禎二
    1995 年 24 巻 1 号 p. 106-110
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体接着剤GRF (Gelatine-Resorcin-Formalin)を30例の心臓血管手術に止血剤および接着剤として用いその有効性、安全性を検討した。対象は解離性大動脈瘤20例、真性大動脈瘤2例、虚血性心疾患5例、弁膜症3例であった。解離性大動脈瘤に対しては偽腔閉鎖および断端形成に、虚血性心疾患に対してはバイパス吻合部位に、真性大動脈瘤に対しては人工血管吻合部位に、弁膜症に対しては大動脈切開部にGRFを用いた。術中には接着効果、止血効果、操作性を検討し有効性を、また術後には生化学検査、免疫学的検査、感染症血清反応、血液学的検査、凝固系検査、胸部レントゲン、心電図、自覚症状より安全性を検討した。接着効果では効果ありが29例、効果無しが1例、止血効果では優れて効果ありが19例、効果ありが8例、効果なしが3例であった。また操作性に関しては全例が容易であり、困難は認めなかった。安全性判定結果では優れて安全が、16例、安全が9例、やや安全が3例、判定不能が2例であった。以上の結果より総合判定では有用性は99、3%であり、有用且つ安全に臨床応用できることが判明した。
  • 清谷 哲也, 大谷 友人, 田畑 泰彦, 筏 義人, 北河 康之, 中村 達雄, 清水 慶彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 111-114
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    われわれは、ゼラチンを用いた新しい生体接着剤を開発し、その止血効果を動物実験にてフィブリン糊と比較検討した。6頭の成犬を用いて脾臓を穿刺し、出血部を作成した。間欠的あるいは少量の持続的な出血があるのを確認し、穿刺一分後に本接着剤あるいはフィブリン糊にて止血し、その後、6分間の出血量を測定した。実験終了時に接着剤を剥離し、再出血の有無を観察した。経時的な出血量、総出血量、止血成功率、剥離後の再出血率において本接着剤のほうがフィブリン糊よりも良好な結果を示した。以上の実験により、本ゼラチン系接着剤はフィブリン糊よりも良好な止血効果を示すと結論した。
  • 清谷 哲也, 北河 康之, 寺町 政美, 滝本 行延, 中村 達雄, 清水 慶彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 115-119
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/12/02
    ジャーナル フリー
    ヒト羊膜はヒト由来コラーゲン材として利用価値が高い。われわれは羊膜-PGA(ポリグリコール酸)シートを作成し、プレジェットや被覆材としての有用性について動物実験にて検討を行った。成犬計50頭において、羊膜-PGAシートをプレジェットとして、肺、気管、心、肝、脾、膵の縫合時に、また被覆材として肝臓区域切除面に使用した。その結果、縫合時の補強に使用可能であり、シートは肝実質からの胆汁漏出を防止可能であった。羊膜は縫合時の補強材料や被覆材として有用だと考えられる。
  • 稲葉 雅史, 笹嶋 唯博, 郷 一知, 和泉 裕一, 吉田 博希, 大谷 則史, 東 信良, 山本 浩史, 赤坂 伸之, 久保 良彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 120-124
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    plasmin処理fibrin被覆人工血管(plasmin-treated fibrin impregnated vascular graft:以下PFIV)を雑犬11頭の腎動脈下腹部大動脈に移植しPFIVの抗血栓性、開存性および治癒特性を基礎的に検討した。移植後1か月では明かな血栓形成や吻合部の肥厚はなく内膜厚は吻合部近傍で約50μmと薄く形成され繊維間への細胞侵入も認められるが、中央部内膜はfibrin層が主体であった。移植後3か月では繊維間に良好なtuft形成が認められ厚さ50~100μmの新生内膜形成が完了していた。しかし、PFIVの基材で作製したグラフトを血液でpreclottingし2か月で別出したグラフトの治癒もPFIVと遜色ない結果が示された。
    PFIVでは移植後3か月の比較的早期に器質化が完了するが、抗血栓性に加え高有孔性材料の効果もその要因と推察された。
  • 中村 雅則, 数井 暉久, 渡辺 俊明, 栗本 義彦, 田中 利明, 山田 修, 小松 作蔵
    1995 年 24 巻 1 号 p. 125-128
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    2種類のウシコラーゲン被覆人工血管を65例(Hemashield:HS58例, Hemaguard:HG7例)の胸部大動脈置換術に使用した. うち, 早期死5例(HS4, HG1), 術後3週間以内の感染症, 乳康胸症例を除いたHS45例, HG6例を術後臨床成績の対象とした. 再建部位は, HSで上行10例, 部分弓部2例, 全弓部23例, 下行7例, 胸腹部3例でcomposite graft置換は13例に行った. HGは全弓部3例(composite graft置換1例), 下行1例, 胸腹部2例であった. 術後発熱, CRP, WBCの再上昇は両グラフトに起こり, 差を認めなかった. HG群で術後急性期の浸出液が多い傾向であった. 両グラフトともに縫合に関する操作性は良好であり, 長時間体外循環でも出血は見られず, 心肺終了後の出血量にも差を認めなかった. 両グラフトともに遠隔期の拡大等の人工血管に関連した合併症は見あたらず, 胸部大動脈置換術には有用な人工血管と考えられた.
  • 桑原 正知, 鬼塚 敏男, 中村 都英, 荒木 賢二, 矢野 光洋, 古賀 保範
    1995 年 24 巻 1 号 p. 129-131
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    我々の教室では1992年より、動脈瘤破裂緊急例と体外循環使用例を対象として被覆人工血管を使用した。症例は22例(男12例、女10例)で、平均年齢は58.8歳。疾患は大動脈瘤破裂4例、大動脈解離7例、胸腹部大動脈瘤7例、大動脈弁輪部拡張症2例、大動脈弁上狭窄1例、極型ファロー四徴症1例。術後の炎症反応は発熱(F)、白血球数(W)、CRP値(C)を指標として検討した。使用血管はゼラチン処理血管(Gelseal Knitted Dacron:G群7例)とコラーゲン処理血管(Hemashield Woven Dacron:H群15例)で非処理の同血管使用群(非G群6例、非H群6例)と比較検討した。出血と多臓器不全にて失った2例と明らかな他の感染を認めた3例を除くG群6例、H群11例にて検討した。発熱、CRP,WBCの経過としては各群間に有意差は認めなかったが、術後再上昇または持続した症例はG群でF33%, W33%, C50%。H群ではF18%, W9%, C27%であり、延べG群50%, H群36%に術後炎症反応が認められ遷延した。今回の検討から被覆血管には術後の炎症反応の遷延という問題が残る可能性が示唆され、我々の教室では破裂緊急例と体外循環使用例にのみ用いていく方針である。
  • ―ウーブンダクロンとゼラチン被覆ニッティドダクロンの比較―
    舟木 成樹, 川田 忠典, 菊地 慶太, 西村 晃一, 遠藤 慎一, 小山 照幸, 鎌田 聡, 武井 裕, 山手 昇, S. NAKAMUR ...
    1995 年 24 巻 1 号 p. 132-134
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ゼラチン被覆ニッティドダクロン人工血管を胸部, 腹部の大血管再建術に使用し, 術後の人工血管の拡張について, ウーブンダクロン人工血管と比較検討した。使用人工血管はゼラチン被覆ニッティドダクロン17例, ウーブンダクロン人工血管28例であった。術後の人工血管の拡張の測定にはCTスキャンを用い, 使用人工血管径との比で表した。ゼラチン被覆ニッティドダクロン人工血管は, ウーブンダクロン人工血管に比し, 術後早期に人工血管径が有意に拡大した(31.3±8.6%, 5.2±8.3% P<0.001)。follow-up期間は18ヵ月~33ヵ月(平均24.5ヵ月)であるが, その後の拡張は認めなかった。現在のところ, 人工血管に起因する合併症は認められていないが, 今後も慎重な経過観察が必要である。
  • 加藤 雅明, 金香 充範, 植田 隆司, 岸 大輔, 吉井 幸誠, 平松 美代子, 安達 盛次
    1995 年 24 巻 1 号 p. 135-138
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    弓部から下行大動脈にまたがる大動脈瘤の治療方針はそのアプローチ, 補助手段を含め未だ議論が多く、治療成績も安定しない。そこで我々は弓部-下行大動脈瘤に対し, 頭部主要3分枝と下行大動脈における末梢側吻合をすべてグラフト内腔からのステントの圧排で代用した新しい手術方法を考案し、この術式に必要なステント内挿型人工血管を開発した。この手術方法では各末梢側吻合部に対する直接的なアプローチは不要で、また吻合に要する時間も必要ない。それ故、脳合併症、肺合併症は少なく、循環停止時間を含む手術時間も短縮できると考えた。本法を慢性腎不全、高度肺機能障害を伴う弓部-下行大動脈解離症例に臨床応用し、偽腔の良好な血栓化を得た。
  • 諸 久永, 高橋 善樹, 名村 理, 斉藤 憲, 八木 伸夫, 大関 一, 林 純一, 江口 昭治
    1995 年 24 巻 1 号 p. 139-142
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    脆弱な大動脈へ人工血管置換時の、新しい吻合部補強法を考案した。15~25kgの雑種成犬11頭を用い、左総頚動脈-左大腿動脈間の一時バイパス下に、ダクロン人工血管のスカート付きリンググラフトを挿入し、大動脈壁をスカートでサンドウィチ状に固定して、以下の実験を行った。カテコラミン負荷によるリング群の耐圧試験では、収縮期血圧は112±34mmHgから280±28mmHgへと有意(P<0.01)に約250%増加したが、cutting, 離開による出血は認めなかった。4-0糸によるグラフトと血管との端々吻合例を対象群とし、水漏発生時の最小荷重量、及び完全離開時の荷重量を比較すると、コントロール群に比し、リング群が有意(p<0.05)に抗張力は勝っていた。また、移植1ヶ月後の組織所見上では、リング固定部での大動脈壁の性状に変化は少なかった。以上より、本法は、脆弱動脈壁時の吻合補強法として、有用であると考えられた。
  • 鈴木 伸之, 奥田 泰弘, 山之内 昭介, 熊田 敏彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 143-149
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工血管吻合部におけるパンヌスの肥厚機序を調べるため、ヘキサフルオロプロピレン系共重合体(フッ素ゴム)を多孔質にした内面有孔性の異なる3種の人工血管を試作し、ウサギ頸動脈への端々吻合置換例について、その病理組織学的検索を行った。1ヵ月後の開存例において、内面有孔性の低いグラフトで吻合部のパンヌスが厚くなり、その伸展が短くなる傾向が認められた。パンヌスの厚さおよび伸展長に関して吻合部の末梢側と中枢側とでは有意な差は無く、その構成細胞は主に平滑筋細胞であった。さらに内面有孔性の低いグラフトでは、パンヌス組織の人工血管壁内への侵入が不良で接着性が低かった。以上のことより、多孔性人工血管内腔面でのパンヌス組織のanchoringの不良によって、伸展の遅延、さらには肥厚が生じることを示唆した。
  • 石橋 和幸, 川副 浩平, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 150-155
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    生体血管類似の階層型ハイブリッド人工血管を開発し、生体内における組織化を細胞の動的挙動および細胞外マトリックスの再構築過程から詳細に調べた。線維芽細胞層、平滑筋細胞層、内皮細胞層の三層構造(Model I)と、線維芽細胞と平滑筋細胞を均一混合した層の上に内皮細胞層を形成させた二層構造(Model II)の2種類を、in vitroでダクロン製人工血管(内径4mm、長さ6cm)上に逐次的に階層構築した。線維芽細胞は蛍光色素にて標識後に埋植した。両グラフトを細胞を採取した同一犬の両側総頚動脈にそれぞれ14頭移植した(2~12週間)。24本の開存グラフトの内腔面はすべて内皮細胞で完全被覆されていた。移植後4週のModel IIグラフトで、平滑筋細胞は内腔側へ、線維芽細胞は外側へ棲み分けが認められた。移植後12週では、両Modelとも内皮直下では血流方向へ、中膜では円周方向に配向した膠原線維、および多層の板状の弾性線維を認め、また、中膜平滑筋細胞は収縮型が多数を占めていた。3種類の血管壁細胞を用いた階層型ハイブリッド人工血管は過度の内膜肥厚を起こすことなく血管壁再構築を大幅に促進するといえる。
  • ―自家移植モデルにおける検討―
    平井 二郎, 岡隆 宏, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 156-161
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    犬外頚静脈より採取した平滑筋細胞(SMC)の浮遊液とI型コラーゲン溶液の冷混合液(コラーゲン濃度:1.5mg/ml、SMC密度:5x105cells/ml)を管状の鋳型(外径24mm、内径8mm、長さ8cm)に注入、37℃でゲル化させ、10日間の培養後、内腔面に同一犬より採取した内皮細胞(EC)を播種し、生体血管類似の階層構造を持つハイブリッド血管壁組織体(内径約7mm、壁厚約1mm、長さ約3cm)を作製した。後大静脈への自家移植(8例)では、3例のグラフトが破裂した。ダクロンメッシュでグラフトを被覆すると破裂は防止された(n=5)。摘出した4例のグラフト中、移植1週間の3例中2例と移植2週間の1例が開存していた。移植1週間で内腔面のBCは血流方向へ配向しており、移植2週間では、移植したSMCが内膜直下へ集積化し、外側では侵入した線維芽細胞がコラーゲンを産生し、マトリックスの高密度化が起こっていた。ハイブリッド中膜組織体中のSMCは8週間の凍結保存後もviabilityを有していた。ハイブリッド血管壁組織体は改良を加えることにより、静脈系人工血管として臨床応用の可能性があると考えられる。
  • 中島 博, 鈴木 嘉昭, 岩木 正哉, 中尾 愛子, 貝原 真, 日下部 正宏
    1995 年 24 巻 1 号 p. 162-167
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    イオンビーム照射による細胞接着性誘導を用い、抗血栓性高分子基材ハイブリッド人工血管を作製した。ガラス管(1.5x50mm)及びePTFE(3.0x50mm)にKP-13(鐘ケ淵化学)をコーティングし、Ne+(150keV、3x105ions/cm2)を傾斜回転させながら照射、ウシ大動脈血管内皮を回転培養して内皮化した。内皮は中央部以外でconfluentであった。雑種成犬13頭(平均13.0kg)の大腿動・静脈にガラス基材グラフトを置換、動脈は全例(9/9)が開存(最長24時間)、静脈は30%(3/10)が閉塞した(最長12時間開存)。ePTFE基材グラフトは雑種成犬1頭(12.8kg)の内頚動脈に置換、24日で摘出したが、開存しており中央部以外は良好な内皮化が認められた。平面でしか応用できなかったイオンビーム照射による細胞接着性誘導を人工血管内面にも応用できる可能性が示された。
  • 濱口 美穂, 片見 一衛, 野村 由利子, 奥田 泰弘, 米谷 雅之, 山之内 昭介, 熊田 敏彦
    1995 年 24 巻 1 号 p. 168-173
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ゼラチン化アテロコラーゲン(GAC)固定化およびGACを共有結合する前段階のメタクリル酸(MA)固定化expanded polytetrafluoroethylene(ePTFE)人工血管(内径2mm, 繊維長30μm)をウサギ頸動脈に置換し、初期血栓形成性、開存性、および器質化状態を調べた。MA/GAC固定ePTFE人工血管は、未処理と異なり1日後から平滑で薄いフィブリンを主体とする血栓膜を形成した。12週までの開存率は未処理と同等で、内皮被覆率は4週で未処理の3-4倍大きかったが、12週後にはその内皮化促進効果は消失した。MA固定ePTFE人工血管においても、MA/GAC固定と同様の結果であり、MAあるいはGACの固定量が少ないと12週後に仮性内膜は薄く維持された。ePTFE人工血管の細繊維・結節の表面改質によって、開存性を低下させることなく、初期の内皮被覆を促進させ得ることを示した。
  • 長江 恒幸, 土田 博光, Samuel E. WILSON, 石丸 新
    1995 年 24 巻 1 号 p. 174-178
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    内層をhigh porosity(HP)(実験1; 60μm, 実験2; 90μm)とし, 外層をstandard(ST)porosity(20-30μm)とした2層構造のcomposite(CP)-EPTFEグラフト2種類につき, この内面高有孔性構造によるグラフト治癒の効果についてHP(60μm)及びST(20-30μm)EPTFEと比較検討した。実験1では上記3種類, 実験2ではCPとSTの2種類(内径4mm, 5cm長)を使用し, 雑種雌成犬の両側頸動脈, 大腿動脈に移植した。CP-EPTFEでは新生内膜細胞のグラフト内側fibril間よりの侵入が見られ, SEMで新生内膜進展の先端部位では内膜細胞がfibril上にのみ認められた。18週でのCP-EPTFEの内皮細胞被覆率(実験1-54.9%, 実験2-58.8%)はHP(実験1-84.8%)に劣るものの, ST(実験1-27.4%,実験2-26.8%)に比して良好であった。開存本数は実験1, 2ともに有意差はなかった。内面構造の高有孔性化により新生内膜とのより良好な結合とその内皮細胞の被覆が得られた。
  • ―異所性家兎腹壁皮弁移植―
    寺田 伸一, 野崎 幹弘, 鈴木 憲, 岡野 光夫, 竹村 直人
    1995 年 24 巻 1 号 p. 179-184
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    本研究では小口径人工血管を用いた微小循環モデルとして新規な家兎遊離組織移植モデルを作成し、動静脈シャントなしで軸動静脈に置換した小口径人工血管の開存性と遊離組織の生存を検討することを目的とした。小口径人工血管はポリウレタン製(内径1.4mm、外径1.8~2.1mm、長さ15mm)であり、その内腔には2-Hydroxyethyl methacrylate-Styreneブロック共重合体とアルガトロバンをコーティングした。実験モデルは下腹壁動静脈から大腿動静脈を軸血管とする腹壁皮弁であった。大腿動静脈に人工血管を挿入固定した後、皮弁を遊離し、腹腔内へ移動した。そして、人工血管の他端を腎動静脈にそれぞれ挿入固定した。軸血管の血流量は2ml/min前後と極めて低血流量であった。1週間後、皮弁は5例中2例(40%)生存した。動脈側人工血管のみ開存した。微小循環下において小口径人工血管を使用する可能性が示唆された。
  • 神田 圭一, 佐藤 伸一, 岡 隆宏, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 185-189
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    I型コラーゲンと血管平滑筋細胞(SMC)を用いて小口径人工血管を形成した. 外径9mm, 内径1.5mm, 長さ7cmの円筒型鋳型中で, 仔牛皮膚由来の酸可溶性I型コラーゲン溶液と仔牛大動脈由来のSMC浮遊液を4℃で混合した溶液(コラーゲン濃度0.25%, SMC密度2×106cells/ml)を37℃でゲル化させることによりハイブリッド組織体を作製した. 10日間培養液中に浮遊させ, 埋植したSMCによる自己収縮を誘導, 外形3mm, 内径1mm・長さ約2cmの管状高密度組織体を構成した後, 1%グルタルアルデヒド溶液で架橋し, 小口径グラフトとした. 長さ10mmのグラフト内腔面にプロタミンーヘパリン結合物を形成させ, ラット腹部大動脈に移植後2, 4, 8, 30週目に摘出した. 4週目にはグラフト内腔面は完全に内皮細胞で被覆され, 内膜下層の厚みは4週における約150μmを最高に, 経時的に減少した. 観察期間中グラフト破裂, 仮性動脈瘤形成など, 壁の脆弱化を示す所見は認められなかった. 生体組織由来成分のみから成る本人工血管は高い生体適合性が期待できる.
  • 土井 潔, 中山 泰秀, 岡 隆宏, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 190-194
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    宿主血管とのコンプライアンスの適合化と組織侵入促進化を目的とし、エキシマレーザーを用いて、セグメント化ポリウレタン(SPU)のチューブの多孔化を行った。孔の径(100μm)と長軸方向間隔(200μm)を一定にし、円周方向間隔を60゜(type 1)、30゜(type 2)、15゜(type 3)に配列した3種類の多孔質チューブ(内径2mm、壁厚100μm)を作製した。これらのチューブ内外面に光反応性ゼラチンを塗布した後、紫外光を照射しゼラチンのゲル化および化学固定を行った。このチューブを走査型電子顕微鏡で観察すると、孔の径・分布は設定通りになっており、ゼラチンはチューブ内腔面を均一に覆っていた。チューブの内腔圧に対する外径の変化量を測定し、この結果からスティフネスパラメーター(β)を求めた。微細孔の数の増加に伴いβ値は漸減し、チューブの柔軟性は増した。本実験での最小β値はtype 3の37.7で、ヒト冠動脈(β:39.8)にほぼ相当した。材料としてSPUを、また微細加工法としてエキシマレーザーを用いることにより柔軟性に優れたプロトタイプ人工血管を開発できた。光反応性ぜラチンを用いた基材表面修飾技術との組み合わせにより高開存性を付与できるものと期待される。
  • 守沢 和也, 赤間 利博, 粟非 浩二, 徳山 悟, 佐藤 征
    1995 年 24 巻 1 号 p. 195-200
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ヘモグロビンを乗合性脂質膜からなるリポソームに内包した人工酸素運搬体(ARC)の免疫系に対する影響を検討した。SD系ラットにARCを静脈内投与し、網内系機能に対する影響をカーボンクリアランス法、コンゴーレッドクリアランス法及びエンドトキシン致死試験によって評価した。更に脾臓リンパ球画分の幼若化反応及びNK活性に対する影響も併せて検討した。
    投与1日後に高用量群でカーボンクリアランス値は対照群に比べ有意に低下した。コンゴーレッドクリアランス値は低下傾向が観られたが有意差は観察されなかった。いずれも投与3日後に回復した。エンドトキシン致死活性に対して作用は認められなかった。その他、幼若化反応及びNK活性など免疫系に特に問題となるような影響は及ぼさないと考えられた。
  • 薄場 彰, 元木 良一, 緒方 嘉貴, 鈴木 一比好
    1995 年 24 巻 1 号 p. 201-205
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Fluosol-DA(FDA)は臨床に使用された世界最初の人工血液である。体内蓄積の不安から投与量が制限され、その酸素運搬効果を十分に発揮出来なかったが世界中で使用され豊富な臨床経験を持つ。現在開発中のネオレッドセル(Neo Red Cells:NRC)も人工血液であるが未だ動物実験の段階で臨床経験はない。そこでFDAの動物実験成績及び臨床成績とNRCの動物実験成績とを比較してNRCの臨床効果を予測した。出血性ショックの検討では必要充分量が投与可能なこと。PvO2が上昇しないこと。心負荷を招来しないことが求められたが、NRCは安全性が高く充分量投与可能で、高濃度酸素吸入をしないのでPvO2が上昇せず、また循環生理学的に安定なので心負荷を招来しなかった。体外循環灌流液としては需要に応じた酸素運搬能があること。SvO2が上昇しないこと。浮腫を招来しないことが求められたが、NRCは灌流開始二時間迄は充分な酸素運搬能を示しSvO2は上昇せず、また浮腫も招来しなかった。安全性については網内系で速やかに処理されることが求められたがNRCでは全例長期に生存し速やかに代謝されており大量投与可能と思われた。以上よりNRCは出血性ショックに対する血液代替物及び体外循環の灌流液として優れた性能を示し臨床の要求に充分答えられると推察された。
  • 榛沢 和彦, 大関 一, 諸 久永, 林 純一, 江口 昭治, 中島 孝, 巻淵 隆夫, 成冨 博章, 西浦 美智子, 宮下 光太郎
    1995 年 24 巻 1 号 p. 206-210
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    【目的】一過性脳虚血負荷前に人工酸素運搬体を用いた血液置換を行うことで血液成分を減少させて脳保護ができるか否かを検討した。【方法】実験1:砂ネズミでフルオゾールDA(FDA、ミドリ十字)を用いて血液交換を行い置換量とHtを測定し酸素投与せず1週間観察した。実験2:砂ネズミを4群に分けA、B群では5.0mlの血液置換を行い、さらにA群では24時間後に直腸温37℃で両側総頚動脈を5分間閉塞した。C群では両側総頚動脈5分閉塞のみ行い、D群は無処置群とした。各処置7日後に脳標本を作成し海馬CA1領域の錐体細胞を光顕で観察した。実験3:安定化ヘモグロビンPHP66E(pyridoxalated hemoglobin polyoxyethylene conjugate solution、味の素)を用いて実験2と同様に実験した。【結果】酸素投与なしに置換後7日生存できるFDA置換量は体重60gの砂ネズミで5.0mlであった。FDAによる血液置換では一過性脳虚血負荷後の神経細胞障害の軽減が得られたが、PHP66Eでは得られなかった。
  • 仲井 邦彦, 阿部 英樹, 高橋 恒夫, 関口 定美
    1995 年 24 巻 1 号 p. 211-215
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    Stroma-free hemoglobin(SFH)に残存する型物質を定量する目的で, A型赤血球よりglycophorin Aを精製し標準物質およびコーティング抗原として用いる酵素免疫測定法(EIA)を確立した. 検出感度は0.3ng/wellであり, 従来の型物質検出系である赤血球凝集抑制試験(HAI)に比較して10倍程度向上した. 現在代表的なSFH調製法となっているRabinerらの方法, 更に改良を加えた加熱法, 酸処理法, クロロホルム抽出法, 限外ろ過法によるSFHの評価を行ったところ, Rabinerらおよび加熱法によるSFHではEIAにより8.40-8.70ng/mgHbの型物質の残存が認められ, HAIでも陽性と判定された. 一方, その他のSFHはHAIにより陰性と判定されたが, EIAにより型物質残存量0.46-0.84ng/mg, 除去率99.98%以上であることが示された. 以上の結果から, EIAはSFHに残存する型物質を定量する上で極めて有用であり, 型物質の残存を指標としたSFHの品質管理が可能であることが示唆された.
  • 鈴木 一也, 影山 善彦, 滝浪 實, 原田 幸雄, 小久保 正
    1995 年 24 巻 1 号 p. 216-220
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    ハイドロキシアパタイトをコーティングしたポリマーを使用した人工気管の実験的検討を行った。端々吻合タイプと、縫合用ダクロンを装着したNevilleタイプの2種類を作製し、それぞれハイドロキシアパタイトをコーティングした群と、ノンコーティング群で比較検討した。いずれのタイプもコーティング群の方が有意に生存率が高く、縫合部の離開や肉芽による狭窄も軽度であった。強い異物反応を示さず、癒着性の高いと考えられるハイドロキシアパタイトのコーティングは、人工気管や他の軟部組織に用いる素材として有用であると考えられた。
  • ―入力インピーダンスによる模擬回路の機能的評価―
    藤本 哲男, 加藤 幸俊, 苗村 潔, 藤枡 裕実, 梅津 光生
    1995 年 24 巻 1 号 p. 221-225
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    人工臓器の評価を目的として機械式シミュレーションモデルを開発してきた. 本モデルは人工臓器と生体との相互作用の解析を主目的としている. そのためモデルの生体に対する再現性を確認することが重要である. 従来モデルでは圧力および流量波形の生体との類似性から動脈系の評価としてきた. 本論では動脈系の入力インピーダンスを計算し, さらに評価の定量性向上を試みた. シリコン製大動脈のコンプライアンスおよび末梢抵抗の調整により最小振幅の周波数は4Hz, 位相の負から正への移行点は3~4Hzの間となり, 生体に類似した動脈系の入力インピーダンスが得られた. 末梢抵抗増減に対する動脈の入力インピーダンス変化では一部に生体との差も認められたが, これらは神経系のフィードバックの欠如や抵抗器の血管構造との相異等が原因として考えられた. 本計測系は人工臓器の試験を目的とした血液循環系模擬回路の生体に対する再現性評価に有効と考える.
  • 荒木 浩, 谷 徹, 横田 徹, 沼謙 司, 蔦本 慶裕, 岡 浩, 箙 洋三, 飴野 弘之, 藤野 光廣, 小林 知恵, 小玉 正智, 松 ...
    1995 年 24 巻 1 号 p. 226-228
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    マイクロカプセル化には基剤に乳酸、グリコール酸のコポリマーを用いて、これを液中乾燥法にて調製した。即ち、PLGA(DL-乳酸とグリコール酸のランダム共重合体)とシスプラチンとアルブミンを混合しW/0エマルジョンをつくり、保護コロイド水溶液を用いてW/0/Wエマルジョンとした後、基材を固化させてマイクロカプセル化する方法である。こうして得られたシスプラチン含有PLGAマイクロカプセル(CDDP-MC)について、その徐放効果及び抗腫瘍効果を検討した。in vitroにて放出試験を行った。50mgのCDDP-MCをトリス塩酸0.05% Tween溶液に分散・振盪させて、経時的にサンプリングし、残存量を測定した。本剤では初期放出も少なく、約14日間にわたって徐放した。in vitroにおいて抗腫瘍効果をMKN-1及びエーリッヒ腹水癌細胞を用いて検討した。カルチャーフラスコに培養液と共に腫瘍細胞を導入、ここにCDDP-MCを加えた。両者共に抗腫瘍効果を認めた。
  • 鬼頭 浩之, 鈴木 文明, 筒井 宣政, 中島 伸之, 松田 武久
    1995 年 24 巻 1 号 p. 229-232
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    経皮的冠動脈形成術(PTCA)後の再狭窄の原因である血管内膜肥厚を抑制するために、カテーテルを用いた薬物の局所投与法の開発が強く要請されている。PTCA用バルーンカテーテルを基材として、その先端に狭窄部位拡張用のインナーバルーン(IB)と、KrFエキシマレーザーにて薬物放出用の微細孔(直径20または30μm)を作成したアウターバルーン(OB)とからなるダブルバルーンを組み込んだ新しいカテーテルを開発した。加工後のバルーンを走査型電顕で観察すると、微細孔の配列、直径、形状とも全て設定通りに正確に加工されていた。IBを加圧膨張させると、IBとOBの間腔に満たされた溶液が微細孔からしみ出し、その流出量は注入圧及び孔径に依存性であった。
    エキシマレーザーでOBに微細孔を形成した本カテーテルは、IBによる従来の血管拡張機能に、新たにダブルバルーンによる薬物送達機能が賦与され、その量は注入圧及び孔径で制御できることが示された。
  • 井上 仁人, 四津 良平, 三丸 敦洋, 川田 志明
    1995 年 24 巻 1 号 p. 233-238
    発行日: 1995/02/15
    公開日: 2011/10/07
    ジャーナル フリー
    開心術による交連切開術は広く行われているが、その手術侵襲は大きい。一方、バルーンによる経皮的弁形成術は侵襲も少なく広く行われているが、術後合併症も認められ、遠隔成績も満足できるものでは生い。この双方の問題点を排除する試みとして、われわれは経皮的直視下レーザー弁形成術の実験を施行し、より少ない侵襲下の確実な交連切開を試みた。実験結果では、レーザーバルーン内視鏡による心腔内の観察は良好であり、肺動脈弁交連部に対して、拍動下に直視下でのレーザー照射を施行し得た。摘出標本にて組織学的に、照射した弁交連部がレーザーにて熱変性し、組織欠損を伴っていることを確認した。今後克服すべき問題はあるものの経皮的直視下レーザー弁形成術は、より侵襲の少ない心臓血管内手術を直視下に行う新しい試みの一つとして、臨床応用の可能性を示唆した。
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