人工臓器
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ラット肝細胞spheroidをbioreactorとするhollow fiber型人工肝臓の開発
白羽 英則小出 典男真治 紀之中路 修平林 伸幸辻 孝夫
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1995 年 24 巻 3 号 p. 740-743

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抄録
Bioreactorとしてアガロースのマイクロビーズにカプセル化したラット肝細胞spheroidを用いた生物学的人工肝臓モデルを作成した。Bioreactor槽にはhollow fiberカートリッジを用いた。9×107個のラット肝細胞をspheroid化してbioreactorとして使用し、装置全体で150mlのホルモン添加Williams'E培地を循環液として用いた。装置全体を37℃に保ち、培養液中のpH、溶存酸素濃度(DO2)をセンサーでモニターしながら自動制御した。12時間おきに培養液を採取し、albmnin、transferrinの産生を酵素抗体法で評価した。72時間の培養の間、pH、DO2は、それぞれ7.25±0.10, 35±10%に保った。培養液中のalbuminは2.0mg/l/hourで増加しつづけ、transferrinは24時問後まで0.84mg/l/hourで増加し、その後プラトーに達した。培養後もspheroidの形態はよく保たれており、viabilityは86%あった。肝細胞spheroidをカプセル化しhollow fiber 培養槽に充填することにより高密度で取り扱いの容易なハイブリッド型人工肝臓用bioreactorを構築することが可能であった。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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