抄録
1985年以来Cardiomyoplastyの臨床応用は400例を越えるに至ったが、未だ一般的な治療法とみなされるには多くの問題が残されている。我々は発生仕事量が少ない事が最も問題であると考え、これを改善するトレーニング方法の開発のため、兎骨格筋ポンプ(SMV)モデルを作製した。in situにて2Hzで連続的に10週間電気トレーニングを施行した兎の左広背筋をトレーニング(+)側、右広背筋をトレーニング(-)側とし、これを用いてSMVを作製し模擬回路にて基礎特性を検討した。後負荷80mmHgでの最大拍出仕事量は6.28×10-2Jで正常兎左心の67%、後負荷30mmHgでの最大拍出仕事量は4.77×10-2Jで右心の184%に相当した。耐疲労性試験ではトレーニング(+)側でのみ4分以上の駆動が可能であり、1時間後において兎右心の66%に相当する1.4×10-2Wの仕事率が維持された。今回の結果より電気的トレーニングのみ施行したvascular delayの無い兎SMVモデルの力学的特性及び耐疲労性が示された。