人工臓器
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電磁駆動式振動流ポンプを使用し、1か所の静脈で脱・送血を施行した静脈―静脈ECMOの検討
永沼 滋仁田 新一山家 智之秋保 洋柿沼 義人井筒 憲司小林 信一田中 元直橋本 弘之三浦 誠田林 晄一檜山 浩国
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1995 年 24 巻 3 号 p. 895-900

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抄録
われわれは電磁駆動式振動流ポンプ(VFP)を開発し、このポンプが形成する振動流が外部灌流型膜型人工肺の酸素加能を向上させることをこれまで報告し、このポンプをextra-corporeal membrane oxygenation (ECHO)に用い、前回の本学会ではその適応の可能性を示唆した。今回はシステムおよび手技をより簡便なものとなるように、麻酔下山羊の一側頚静脈より2本のカニューレを上大静脈まで挿入し、一方を脱血他方を送血として用いた。人工呼吸器を停止させ呼吸不全状態とした山羊に、流量10、20ml/min/KgでECMOを行なった。その結果、10ml/min/Kgの低流量では十分な動脈血酸素分圧を得られなかったが、20ml/min/KgではPaO2:100mHg程度で健常時の酸素分圧を維持できた。VFPを用いて1か所の静脈から脱血と送血を行なうECMOは可能であると考えられた。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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