人工臓器
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2軸駆動型TSポンプのポンプ性能
城山 友廣赤松 映明
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1996 年 25 巻 3 号 p. 515-521

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抄録
遠心式血液ポンプの軸シール同題を解消した歳差式遠心血液ポンプ(TSポンプ)の開発を行ってきた. 従来のTSポンプは, 羽根が1個(TS-I型)のものであったが, 新たに羽根が2個の2軸駆動型TSポンプ(TS-II型)を試作し, ポンプ性能並びに溶血の要因となるポンプ圧力変動について検討を行った. その結果, (1) 1軸(TS-I型)に比べ2軸(TS-II型)の方が, 揚程・効率ともに高く, 高流量ほどその差が開いてくる. また, 流出口近傍での圧力変動が小さく, 流れの乱れが抑制されて溶血の低減が期待できる. (2)羽根が流出口に接近した際, 流路を閉塞しないように羽根断面に切り欠きを設ける(Lacked-lmpeller)と圧力変動が抑えられる. (3)流出口が2個(TS-II C2型)ないし3箇所(TS-IIC3型)ある場合, 1箇所(TS-II C1型)の場合に比べて効率が高く, また, 高流量域での揚程も高い. さらに, 流出口近傍の圧力変動が著しく軽減し, しかも高回転ほどその効果が大きいことがわかった.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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