人工臓器
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静電リニアアクチュエータ型人工心筋の開発
―金属製可動子を用いたアクチュエータの駆動試験―
壁井 信之土屋喜一
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1996 年 25 巻 3 号 p. 522-526

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抄録
我々は筋収縮機構の静電モータ説を基に, 人工心筋としての静電アクチュエータの開発を行ってきた. 従来の静電アクチュエータは平行平板型コンデンサーと誘電体の可動子から成り立っていたが, 本研究では微細加工の面から新たに金属製の可動子を提案し, その可能性を検討することを目的とした.
まず金属可動子を用いた静電アクチュエータの最大静推力を測定した. その結果300[V]で約8[mN]の推力が得られた. 次に, アクチュエータの連続駆動制御システムを開発し, 動作確認試験を行った. 試験に用いた固定子の電極長さ1[mm],電極間隔0.1[mm]で, 可動子の厚さは0.30[mm], その有効幅は40[mm]である. ギャップ充填剤には液晶のGR-63を用いた. 駆動周波数100[Hz], 駆動電圧200[V]でアクチュエータの可動子はほぼ定速運動し, 無負荷時で2.5[mm/s]の値が得られ, 従来の誘電体可動子を用いた場合と遜色のない性能が得られることが分かった.
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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