人工臓器
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肺動脈弁位異灘体弁の遠隔成績
深田 穣治森下 清文小松 幹志安倍 十三夫
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1997 年 26 巻 1 号 p. 249-252

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抄録

対象は生体弁により肺動脈弁置換術(PVR)を施行した10例で、PVR時15-65歳(平均39.9歳)、男性6例、女性4例、対象疾患はFallot四徴症根治術後の肺動脈弁閉鎖不全(PR)7例、両大血管右室起始症と肺動脈弁狭窄の合併1例、肺動脈瘤と肺動脈弁狭窄兼閉鎖不全の合併1例、感染性心内膜炎に対する右室流出路再建術後のPR1例であった。生体弁は全例第二世代であり、Carpentier-Edwards (C-E) supra-annular弁7例、Hancock II弁2例、C-E牛心膜弁1例であった。術前NYHA心機能分類4度の2例をLOSと出血により術後早期に失った。生存退院8例の術後平均観察期間は5.3年であり、心エコーによる遠隔期弁機能不全の発生は15歳時にPVRを施行した1例のみに疑われているが、他の症例では認めていない。以上より生体弁によるPVRは良好な耐久性を期待でき、さらに右心不全症例に対する遠隔期の生活状況も良好であった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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