人工臓器
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新しいタイプのラッピング(スライディングラップ)を用いたシースレスIABP挿入の工夫
山西 秀樹渡辺 直林 和秀冨岡 秀行筒井 宣政
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1997 年 26 巻 2 号 p. 277-279

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抄録
挿入時の血管損傷や、ラッピングがほどけやすいといったシースレスの欠点を克服すべく、スライディングラップを開発、1995年8月~1996年8月までの間に6症例に使用する機会を得たので報告する。使用したIABPは、バルーン長さ195mm、バルーン容量35cc、カテーテル部分の外径9.0Frである。先端のチップは硬く、尖った形を呈しており、バルーンを覆い隠すようにラッピングした薄い鞘(スライディングラップ)が装着されている。これは先端チップと段差がなく密着しているため、動脈硬化が強い血管で挿入する際に無理な力が加わっても、ラッピングがほどけたり、血管壁を貫けないということはなく、スライディングラップと共にバルーンカテーテルを挿入し、挿入後はpeel awayするので血管内腔はカテーテル部分のみとなる。スライディングラップを装着することにより下肢虚血合併症が少なく、シースレスIABP挿入時の操作性が向上した。
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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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