抄録
ペースメーカー(PM)植込み後の不整脈管理の重要性は良く知られるところであるが、不整脈の検出にホルター心電図やモニター心電図を用いても必ずしも満足のいくものではない。そこで、著者らはDDDペースメーカーに内蔵された不整脈診断補助システムであるAIDA(Automatic Interpretation for Diagnosis Assistance)の有用性を前向きに検討した。DDDPMが植込まれた14症例(房室ブロック9例と洞不全症候群の5例)が対象となった。対象とした14例中3例でPM植込み前に発作性心房細動を認めた。試験はD1とD28の2期に分け検討した。D1ではAIDAプログラムの信頼性を体表面ホルター心電図と24時間比較した。D28における心房性不整脈の発生は、28日間記録されたデータをもとにしてAIDAプログラムにより自動的に解析された。D1における検討では、8症例で18回の心房性不整脈の出現がAIDAにより分析されたが、これらすべての不整脈は体表面ホルター心電図により確認が可能であった。D28におけるAIDAの分析はPM植込み前に心房性不整脈を認めなかった症例でも、数多くの無症候性不整脈が出現することを示した。
AIDAプログラムはPM植込み後の不整脈の評価に有用であり、殊に無症候性不整脈の検出に優れていた。さらにAIDAプログラムにより薬効評価も詳細に判定されることが示唆された。