人工臓器
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心大血管手術におけるgelatin-resorcin-folmarin(GRF)glue使用症例の検討
田中 利明小柳 哲也大沢 久慶池田 勝哉深田 穣治伊藤 真義森下 清文安倍 十三夫数井 暉久
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1998 年 27 巻 1 号 p. 254-256

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抄録

1994年8月より1997年8月まで55例の心大血管手術例に対しgelatin-resorcin-folmarin (GRF) glueを組織接着および止血剤として用い, その有用性について検討した。急性期死亡は心原性ショック3例, 多臓器不全2例および腹部大動脈再解離による出血性ショック1例で, 遠隔死亡は縦隔炎1例でありGRFに起因するものはなかった。急性大動脈解離例における断端形成では, 解離腔の接着効果は良好であり, かつ人工血管との吻合において適度な強度, 弾性を有し運針も容易で, 操作性に問題はなく, 針穴からの出血はみられなかった。また, 術後のCT検査においても吻合部のleakは37例中1例(2.7%)と満足すべきものであった。止血目的として用いた18例では, 大動脈人工血管吻合部, 心房心室切開縫合部, 人工血管同志の吻合部および人工血管冠状動脈吻合部に用いたが, 適用部位を可及的に乾燥させることにより良好な止血効果が得られた。また, 重篤な副作用や血液および生化学検査における異常値も認められなかった。GRFの接着効果および止血効果は良好で, また操作性に優れた安全性の高い生体接着剤と考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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