人工臓器
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熱架橋繊維化コラーゲンの綿状止血材への応用
山本 恭通松本 和也上田 寛樹劉 愉関根 隆李 永浩清谷 哲也中村 達雄清水 慶彦
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1998 年 27 巻 1 号 p. 262-268

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抄録

熱架橋繊維化コラーゲンを用い繊維径15-25μmで繊維長0.5cm(以下0.5小径材)、1.0cm(以下1.0小径材)、3.0cm(以下3.0小径材)と繊維径20-40μmで繊維長3.0cm(以下3.0大径材)の綿状止血材を作成した。正常および低血圧状態のイヌ脾臓被膜を切除し、ガーゼに染み込んだ血液の描く円の平均直径を計測し、止血材使用前後での比率を止血率とした。インテグラン®とオキシセル®を対象とした。10分後の平均止血率は正常血圧群で3.0大径材とオキシセル®100%、0.5小径材68%、1.0小径材77%、3.0小径材67%、低血圧群で3.0大径材、3.0小径材とオキシセル®100%、インテグラン®77.8%であった。2分後の平均止血率は正常血圧群で3.0大径材66.0%、オキシセル®7.5%、低血圧群で3.0大径材85.3%、オキシセル®20.5%であった。3.0大径材は他の止血材より優れた止血率を示した。コラーゲン製止血材を留置した組織には著明な炎症所見を認めなかった。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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