1998 年 27 巻 1 号 p. 275-277
送血、脱血、吸引を行いうる小型回転ポンプ(ベーンポンプ)と膜型肺を組み合わせた麻酔器にも取り付け可能な人工心肺システムを試作した。前回未施行のポンプの耐久試験と溶血試験を行った。模擬循環回路に装着した連続駆動は2~3日でポンプの異常ではなく、DCブラシレス・モーターの異常により停止した。雑種成犬に本ポンプを脱血、送血に用いて240分の体外循環を行った。体外循環中のヘモグロビン値は240分時には193.5±27.6mg/dlであった。人工心肺システムとして送血、脱血、吸引で5基程度、このポンプを使用することを計画しているので、溶血が問題となるため、ポンプに改良を加えた。ローターの部分に一方向弁を装着することでローター上部を流入、下部を流出の腔とポンプ内腔をふたつに分けるアイデアのポンプである。流量はやや落ちるが灌流は可能であった。溶血に関しては検討中である。