人工臓器
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人工内耳による聴覚再獲得
―高度難聴幼児の手術と術後評価―
内藤 泰高橋 晴雄
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1998 年 27 巻 1 号 p. 283-286

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抄録

我々は3歳台の高度難聴幼児4名に人工内耳埋め込みを行い、人工内耳がこれらの幼児の聴覚言語発達に寄与することを確認した。手術適応は1995年のNIH Consensus statementに準拠し、両親の理解と同意を得て決定した。手術手技では特に皮膚切開と人工内耳格納のための側頭骨削開に特別の配慮を加えた。術後は全例、皮弁の血行、創治癒共に良好で人工内耳埋め込み部分の感染、皮膚壊死等の問題は全く見られなかった。人工内耳の使用開始後は着実に音への反応が増加し、言語の表出も徐々に始まった。特に2歳半ばまで聴力のあった症例の発達は目覚ましく、現在ほぼ通常の日常会話が可能になっている。一方、先天性高度難聴例の術後の聴覚・言語の発達は着実ではあるが中途失聴例に比べて緩やかであった。高度難聴幼児においては、早期の人工内耳の適応決定と手術が望まれる。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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