人工臓器
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2-Methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (MPC) コポリマーコーティング補助人工心臓の抗血栓性評価
城戸 隆行野尻 知里木島 利彦堀内 邦雄森 武寿田中 哲夫前川 純杉山 知子杉浦 尚也浅田 岳彦石原 一彦阿久津 哲造
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1999 年 28 巻 1 号 p. 196-199

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抄録

生体膜類似物質であり, 側鎖にウレタン結合を有する2-Methacryloyloxyethyl phosphorylcholine (MPC) コポリマーをコーティングしたポリウレタン製拍動型補助人工心臓 (VAD) を羊に装着し, 抗血栓性を評価した.1ヶ月の装着の後, 羊から取り外し, 生理食塩水で洗浄, 未処理をコントロールとし, 肉眼観察, SEM観察を行った.コントロールは, 弁の近傍に血栓が認められたが, MPCコポリマーコーティングVADには, 血栓はほとんど認められなかった.MPCコポリマー表面は, コントロールと比較し, 付着物が少なかった.ダイアフラムのコッサ染色の結果は陰性であり, XPS分析の結果, Ca, Pは検出されず, 石灰化がおきていないことが確認された.ダイアフラムをSDS溶液で抽出し, 蛋白質の濃度を測定した.MPCコポリマー表面は, コントロールと比較し, 吸着蛋白質の密度が低いことが確認された.抽出液中の蛋白質の種類をSDS-PAGE, immunoblot法により分析した結果, 抽出液には, コントロールと同様フィブリノーゲンが認められたが, その量に違いがあると考えられた.MPCコポリマーコーティングは, 1ヶ月の長期の動物実験においても優れた抗血栓性を維持した.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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