人工臓器
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光硬化型親水性高分子を用いたハイドロゲルマイクロビーズの作製: 薬物包埋と細胞封入
中山 泰秀松田 武久
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1999 年 28 巻 1 号 p. 250-255

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抄録

光照射によって架橋する親水性高分子として, ケイ皮酸またはクマリン基を側鎖に有するジメチルアクリルアミド (DMAAm) 共重合体 (光二量化型親水性高分子 (1, 2)), ジチオカルバメートまたはベンゾフェノン基を側鎖に有するDMAAm共重合体 (光ラジカル発生型親水性高分子 (3, 4)), およびポリエチレングリコール (PEG) の両末端をベンゾフェノン化した光ラジカル発生型親水性オリゴマー (5) を合成した. 各光反応性高分子 (1)~(4) はそれぞれ単独で, また (5) はPEG二官能性マクロマー (6) と混合してリン酸緩衝溶液に溶解させ, 各混合水溶液を流動パラフィン中で撹拌し, 微細粒子状に分散させながら紫外光を照射するとハイドロゲルマイクロビーズが生成した. 生理活性物質 (ヘパリン, FITC-Protein G, またはモデル物質としてサリチル酸) と光反応性高分子の混合水溶液を同様に光照射すると, 生成したビーズ内に生理活性物質を包埋することができた. 包埋物質は緩衝水溶液中で時間と共に放出された. 放出量は用いた光反応性高分子の光反応性基含量の増大に伴って抑制された. また, 細胞を混合して照射するとビーズ内は細胞を封入でき接着床として機能した.

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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