人工臓器
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人工血管付機械弁 (Carbo-Seal®) の使用経験
大内 浩許 俊鋭上田 恵介横手 祐二田邊 大明朝野 晴彦荻原 正規尾本 良三
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2000 年 29 巻 1 号 p. 105-108

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抄録

Carbomedics弁にゼラチン被覆ウーブンダクロンを固定した人工血管付機械弁: Carbo-Seal (以下CS) を用いた大動脈基部置換5症例を経験した。平均年齢51 (35~63) 歳, 疾患はAAE, AR2例, AVR後人工弁周囲逆流を伴うAAE2例, Behget病に合併したAVR後人工弁周囲膿瘍1例。術前NYHAは1度1例, II度3例, III度1例。CSを用いた術式はCarrelpatchで冠動脈を再建した基部置換4例, Ross手術の右室流出路再建1例であった。大動脈遮断時間, 心肺時間, 手術時間は平均132 (107~159) 分, 213 (156~273) 分, 335 (295~430) 分であった。全例NYHAI度で生存退院, 被覆ゼラチンによる炎症反応の再燃は認めず2例が無輸血で経過した。術後平均22カ月で弁, 人工血管合併症は認めていない。CSは大動脈基部置換及びRoss手術時の右室流出路再建に有用かつ安全な人工血管付機械弁である。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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