人工臓器
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軽度低体温体外循環における脳血流動態の検討
饗場 正宏大竹 普尾頭 厚岡田 良晴関口 茂明松尾 義昭成澤 隆山田 眞道端 哲郎井上 恒一川田 忠典高場 利博
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2000 年 29 巻 1 号 p. 89-92

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抄録

軽度低体温体外循環 (CPB) を行った5例の開心術で中大脳動脈 (MCA), 眼動脈 (OA), 総頸動脈 (CA) 血流速を超音波ドプラ法で脳組織酸素飽和度 (rSO2) を近赤外分光法で測定し, autoregulationの関与および灌流量の妥当性を検討した。CPB前の各最大血流速 (MCAVrnax, OAVmax, CAVmax) は25.9±3.6cm/s, 28.3±14.5cm/s, 62.5±28.8cm/sで, CPB前値を100%ととしてCPB中 (灌流量2.4, 2.0l/min/m2), 後の変化を表すとMCAVmaxは93.2%, 83.8%, 131%, OAVmaxは47.6%, 46.7%, 161%, CAVmaxは69.3%, 70.7%, 213%であった。rSO2はCPB前72.4±3.7%, CPB中70.4%, 68.5%, CPB後71.8%と維持されていた。軽度低体温CPBではMCAVrnaxはOAVmax, CAVrnaxに比べCPB中は維持され, CPB後は増加は少なくautoregulationが維持されていた。軽度低体温体外循環において2.0l/min/m2の灌流量はrSO2から見て妥当であると考えられた。

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© 一般社団法人 日本人工臓器学会
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