抄録
福井県産クロメについて,配偶体および幼胞子体の成長と生残に及ぼす温度,光量,塩分の影響を室内培養により調べた。生育上限温度は配偶体が28℃,幼胞子体が26℃ であった。成長に適した温度と光量の条件は,配偶体では雌性体が22~24℃の50~100 μmol/m2/s,雄性体が20~22℃の100μmol/m2/sであり,幼胞子体では15℃の100μ mol/m2/sであった。雌性配偶体の成熟上限温度は22~24℃であった。成長に適した温度 と塩分の条件は,配偶体では20~24℃の28~36psu,幼胞子体では15℃の32psuであった。 雌性配偶体の成熟率は15~20℃の24~32psuで86~95%であった。高温と低塩分による 生残率の低下傾向が,配偶体では24~28℃で,幼胞子体では22~28℃でそれぞれ認めら れた。