芸術学論集
Online ISSN : 2435-7227
東山魁夷の日本画作品における「和洋融合」について
牛 紹静
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2022 年 3 巻 p. 11-20

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抄録

本論は主に東山魁夷が著した『美しい日本への旅』『森と湖の国への旅』『心の風景を巡る旅』の3冊の画集と随筆を中心に魁夷の作品を考察し、「和洋融合」に関する実践方法をあきらかにすることを目的とする。魁夷の実践に、他の画家の作品評価が関係していることを前提に、魁夷の時期ごとの作品の分析を通して、フランスの後期印象派の画家であるポール・セザンヌなどの影響があることを指摘する。そして魁夷が「国民的画家」と呼ばれることの一因として、同時代の日本画家たちとは違う「和洋融合」の方法を行なっていたことを論じる。具体的には、魁夷の制作活動期間を1946年まで、1947年から1961年、1962年から1972年までの3期に区分し、「和洋融合」の進化をたどる。また魁夷の芸術の「和洋融合」の方法や受けていた影響などを詳しく考察する。最後に、魁夷の芸術の「和洋融合」についてまとめる。

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© 2022 芸術学研究会
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