2018 年 4 巻 1 号 p. 61-66
大学生野球選手110名を対象に,足趾形態および足底の胼胝箇所を調査し,肩・肘関節障害歴の有無に対する比較から投球障害への関連性を検討した.
障害歴のある選手の軸足・ステップ足は,前足部外側に胼胝を認めた選手が有意に多く存在した.足趾の変形については,両群に有意な差は認められなかったが,軸足においては第4趾から内反し,ステップ足については,第3趾から内反する選手が多い傾向を示した.この結果は,肩・肘関節に障害歴がある選手は,投球時において,前足部外側に荷重が偏位した不安定な状態で足部を使用している可能性が推察され,足部形態と肩・肘関節障害歴とは,何らかの関連性があることが示唆された.