日本アスレティックトレーニング学会誌
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特集
  • 広瀬 統一
    2021 年 6 巻 2 号 p. 131
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    2020年1月6日に,厚生労働省より中国・武漢での原因不明の肺炎拡大が報じられ,14日には世界保健機構(WHO)でもその存在が確認されました.そして1月30日にWHOより国際的な緊急事態が宣言されたのち,3月11日にはCOVID-19感染状況がパンデミックであるとの認識が表明されました.これらの事態を受けて,3月30日に国際オリンピック委員会(IOC)の臨時理事会でオリンピック・パラリンピックの1年延期が決定されるに至ったのです.この決定はオリンピアン・パラリンピアンに少なくない衝撃を与え,心理的支援の重要性が大きく論じられました.さらに本邦では4月7日に7都府県に対して,そして16日には全国に緊急事態宣言が発出されたため,解除された5月31日を過ぎるまで,多くの地域で各種スポーツ活動が制限されました.この間,約8週間あるいはそれ以上にわたる長期的な競技活動休止が余儀なくされており,アスリートにとって様々な悪影響がもたらされたのです.運動休止による体力低下,運動休止期間中の健康状態の悪化,そして活動再開後の傷害発症やパフォーマンス回復に対する不安など,挙げればきりがありません.このような未曽有の状況下において,スポーツ医科学支援スタッフは,数少ない情報を頼りにスポーツをする人たちの支援にあたっていました.長期活動休止後の再開時に生じうる傷害リスクについては,National Football Leagueで2011年に生じたロックアウト後のアキレス腱断裂の増加に関するレポートが,そして活動自粛期間中の運動能力低下リスクについては各種ディトレーニングによる体力低下に関する先行研究結果が参照され,それらの情報をもとに傷害予防や体力維持のプログラムが作成されていました.この例でわかるように,過去の知見は今の人々を救う非常に重要な情報になります.スペイン風邪,アジアインフルエンザ,そして新型コロナウイルスと,残念ながら社会活動を大きく制限し得る感染症は,一定期間を経て流行を繰り返しているのが事実です.スポーツ医科学支援者および研究者が得た2020年の知見を紙面に残すことは,未来の人々を救う礎になります.そこで本号ではCOVID-19感染症拡大によるスポーツ活動制限期間に生じたアスリートの心理,栄養,体力・運動能力面での課題とその対応について,それぞれの専門家から知見を残していいただくこととしました.COVID-19感染の早期収束と,このような感染症拡大が繰り返されないことを願いつつ,もしもの時に本誌の情報が,まだ見ぬアスリートやその支援者たちの活動の支えになることを願います.

  • 山下 大地, 島田 結依, 増田 雄太
    2021 年 6 巻 2 号 p. 133-139
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    ハイパフォーマンス・ジム(HPG)ではトップアスリートを対象にアセスメントを行っている.2020年の緊急事態宣言中は,臨時特設サイトにてプログラムで用いているエクササイズの一部を動画で発信した.コロナ禍でのHPGの運営は,様々な競技団体の共用利用に配慮して工夫を凝らしている.選手サポートの要望も変化しており,個別化され,日々のトレーニングパフォーマンスを評価できるエネルギー代謝系の測定およびトレーニングが増えている.

  • 土屋 篤生
    2021 年 6 巻 2 号 p. 141-146
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    長期的活動休止からのスポーツ活動再開時においては,急激な運動負荷増大によって傷害リスクが高まることが懸念される.スポーツ活動中の負荷管理に関する研究は近年加速的に発展しており,傷害リスクとの関連性が認められつつある.本稿ではセッションRPEを中心とした各種負荷データの測定方法を概説した上で,傷害予防の観点からデータをどのように処理,解釈するかを論じる.

  • 古川 由佳
    2021 年 6 巻 2 号 p. 147-152
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    COVID-19の感染拡大により,2020年4-5月には多くのアスリートが活動自粛を余儀なくされた.活動自粛期間明けに合宿を再開したアスリートからは,体重管理に関する栄養相談が多かった(15件中14件).免疫システムを維持するためにバランスの良い食事を選び,目的としない体組成の変化を防ぐためにエネルギー消費に見合うように摂ることは重要だ.これはCOVID-19に限らず活動自粛時に必要な視点である.

  • 秋葉 茂季
    2021 年 6 巻 2 号 p. 153-159
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    競技活動休止は,アスリートが人生の中で経験する困難なライフイベントと言える.スポーツ心理学では,アスリートが経験する困難なライフイベントとして怪我やスランプなどが検討されてきた.そこで本稿では,まず怪我による活動休止について,これまでの研究成果を概説した.そして,他の困難なライフイベントについても共通して考えられる点を検討し,活動休止時や再開時における心理面での課題や対策について示した.

原著
  • 柴田 聡, 竹村 雅裕, 宮川 俊平
    2021 年 6 巻 2 号 p. 161-170
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    台高の変化によって片脚着地時に異なる着地戦略をとる可能性がある.本研究の目的は,台高の違いが片脚着地動作時の関節角度,関節モーメント,地面反力値,筋活動に与える影響を検討することとした.対象は大学女性アスリート17名で,課題動作は30cm台と45cm台からの利き脚での片脚着地動作とした.3次元動作解析装置,フォースプレート,表面筋電図で測定を行った.45cm台では,矢状面上の関節角度の増大,股関節や体幹・骨盤の3次元的な運動が生じ,膝関節外反モーメントの増大や大腿四頭筋優位な筋活動といった,着地戦略の変化が観察された.台高の違いを考慮して外傷発生リスクのスクリーニングやリハビリテーションに活用する必要がある.

  • 栖原 弘和, 成相 美紀, 可西 泰修, 白木 仁
    2021 年 6 巻 2 号 p. 171-180
    発行日: 2021/04/30
    公開日: 2021/08/19
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,相撲で伝統的に行われている腰割りのトレーニング効果を明らかにすることとし,股関節可動域,股関節周囲筋筋力,運動能力,動的バランス能力に与える影響に関して,下肢の代表的なエクササイズであるワイドスタンススクワット(WS-SQ)と比較・検討を行った.エクササイズ介入は8週にわたり実施した.また,それぞれの測定をエクササイズ介入に先立ち実施し,4週後および8週後に再度測定を実施した.8週の介入により,股関節外転可動域,内転・伸展筋力,動的バランス能力に変化が認められた.特に股関節内転筋力に関して,腰割りはWS-SQに比べ有意な差が認められたことから,自体重負荷にて股関節周囲筋筋力の向上を目的とした場合,腰割りはWS-SQに比べ有効である可能性が示唆された.

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