2018 年 4 巻 1 号 p. 73-78
本研究は,Global Positioning System(GPS)を用いて7人制ラグビー競技における主審の走行距離および速度を記録し,それらを選手と比較することによって主審の身体的負担について示すことを目的とした.全国高等学校7人制ラグビーフットボール大会の地方予選会に出場する選手6人と,その試合をジャッジする主審4人を対象とした.試合中の走行距離および走行速度についてGPSを用いて記録した.また,同時に試合中の心拍数も記録し,試合中の運動強度を求めた.その結果,試合中の総走行距離,平均走行速度,ならびに運動強度は主審の方が選手よりも有意に高い値を示し(P<0.05),主審の身体的負担は高いことが明らかとなった.主審に対するコンディショニング対策も重要な課題であると思われた.