日本細菌学雑誌
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総説
アンギノーサス群連鎖球菌の病原因子
長宗 秀明
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2008 年 63 巻 3 号 p. 425-435

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抄録
連鎖球菌属を構成する6菌群の一つであるアンギノーサス群連鎖球菌(AGS)は,主に口腔内の常在細菌叢に存在する細菌である。AGSは日和見的に口腔内や深部臓器において化膿性疾患を引き起こすが,歯周病や上部消化器癌との関連性も疑われるなど,その臨床的な重要性が高まってきている。しかしAGSは菌種間での遺伝子伝搬が頻発する傾向があり分類に混乱があったことから,病原性の検討が遅れている菌群である。AGSも他の連鎖球菌と類似の宿主細胞への定着因子や免疫撹乱性物質などを生産することが知られており,特に近年になって,AGSの一種で中枢神経系に感染症を起こしやすいS. intermediusではヒトに高い特異性を示すという特徴的な溶血毒素インターメディリシンが見いだされた。本稿ではAGS感染症に関与する可能性が高いこれらの主要な病原因子について紹介したい。
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© 2008 日本細菌学会
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