日本細菌学雑誌
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平成22年黒屋奨学賞受賞論文
細菌毒素の宿主受容体の精製及び機能解析に関する研究
八尋 錦之助
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2010 年 65 巻 3 号 p. 325-331

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抄録
病原細菌の多くは宿主に感染後,様々な病原因子を分泌あるいは注入し,宿主に対して障害を与える。中でも,外毒素は特異な酵素活性を有し,宿主細胞内に侵入後,その酵素活性により細胞内の恒常性の破綻,シグナル伝達系の混乱を引き起こし,形態変化や細胞死を誘導することが知られている。毒素の宿主受容体を明らかにすることは,感染症における毒素の役割,病態発現を理解する上で重要な知見を与えるだけでなく,その後の創薬の設計や新たなシグナル伝達経路の解析等の観点からも興味深い情報と成りうる。本研究ではHelicobacter pyloriの空胞化毒素(VacA)と腸管出血性大腸菌が産生するSubtilase cytotoxin(SubAB)の宿主受容体を精製し,マス解析により同定した。そして,これら受容体が毒性発現に必須であることを明らかにした。毒素は細胞内に侵入することで個々の機能を発現する一方,受容体との結合によって誘導されるシグナル伝達の変化もまた,細胞の生死,形態変化に影響を与えている。
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© 2010 日本細菌学会
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