日本細菌学雑誌
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平成26年黒屋奨学賞受賞論文
サルモネラのDsbAとChromobacterium violaceumのCopEエフェクターの解析
三木 剛志
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2014 年 69 巻 4 号 p. 577-588

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抄録
Chromobacterium violaceum はヒトや哺乳動物に感染し, 致命的な敗血症を引き起こすグラム陰性細菌である。本菌によるヒト感染は稀であるが, 感染が成立した場合は肺, 肝および脾臓に膿瘍が形成される重症感染症となる。本研究では, C. violaceum の感染メカニズムの解明を目的として, 本菌の病原因子の同定とその機能解析を行った。本菌が保有する2 つのIII 型分泌機構に着目し, マウス感染モデルを用いて, その病原性への関与を検討した結果, 遺伝子クラスターChromobacterium pathogenicity island 1/1a(Cpi-1/-1a)にコードされるIII 型分泌機構が主要な病原因子の一つであることを明らかにした。さらに, Cpi-1/-1a のIII 型分泌装置より分泌される16 個の新規エフェクターを同定した。CopE と命名したエフェクターは低分子量GTPase Rho ファミリーのヌクレオチド交換因子であり, Rac1 とCdc42 を活性化した。また, copE 破壊株およびCopE のヌクレオチド交換活性を欠失させた変異体発現株ではその病原性が有意に低下した。本研究より, Cpi-1/-1a にコードされるIII 型分泌機構はC. violaceum の主要な病原因子の一つであり, その装置より分泌されるCopE は病原性発現に関与するエフェクターであることが明らかとなった。
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© 2014 日本細菌学会
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