日本細菌学雑誌
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微生物学の進歩
口腔細菌研究の新展開
庄子 幹郎竹下 徹丸山 史人稲葉 裕明今井 健一松尾 美樹
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2015 年 70 巻 2 号 p. 333-338

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抄録
口腔には600 種以上の細菌が常在し, 各々の細菌はお互いに均衡を保ちながら口腔に定着している。また, 生体の門戸である口腔にいる細菌は, 生体の免疫機構による攻撃を受けたり, 飲食に伴う栄養状態の変化・温度やpH の変化など非常に過酷な環境で存在している。う蝕や歯周病に関与する病原細菌においても, これら種々の過酷な環境に曝されつつ, 口腔に定着し, 病態を惹起している。このように, 口腔が細菌にとって非常に過酷な環境であることを鑑みると, 口腔細菌研究は, これまでの個々の細菌の持つ病原因子の研究のみならず, 細菌の環境応答や細菌- 生体免疫との相互作用, またゲノム解析による細菌の派生の比較検討や口腔フローラ解析等, より多様化した解析への展開が期待されている。本稿では, 細菌学, 免疫学, ゲノム学の各領域の口腔細菌研究における広範かつ最新の情報を提供し, 口腔細菌研究の今後の展開について述べる。
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© 2015 日本細菌学会
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