抄録
1.人體ちふす屍肝.同ぱらちふす屍肝竝にちふす, ぱらちふすちふす菌乃至該菌毒素ヲ注入シタル家兎肝臟ニ惹起セラル、病變ハ何レモ其性質上同似ナリ.
2.ちふす, ぱらちふす肝ニ於テ最強ク侵害セラルゝハ實質ニシテ, 血管ノ傷害ハ之ニ亞ギ, 間質ノ變化ハ概シテ甚輕微ナリ.
3.ちふす, ぱらちふす肝ニ於ケル最顯著ナル異變ハ所謂毒素性結節ノ形成ナリ.コハちふす, ぱらちふす菌毒ニ因リテハ甚容易ニ惹起セラルゝモノナリ.
4.該結節内ニ多核性白血球ノ出現アルハ疑フノ餘地ナシ.多核性自血球ハ病竃形成ノ最初期ニ於テ出現ス.
5.通常該結節ノ主成分ヲナス大圓形細胞 (ちふす細胞) ハ主トシテAschoff及清野氏ノ組織球ニ一致ス.其源泉ハ之ヲ主トシテ肝内ニ求ム可キモ, 尚血液中ノ此種細胞モ亦之ニ參與ス.
6.所謂毒素性結節ハ必シモちふす, ぱらちふす病ノミニ特異ナルモノナラズ.
7.ちふす, ぱらちふす肝ノ示ス病變ハ一種ノ特殊性炎トシテ之ヲ認ム可キモノナリ.
8.ちふす, ぱらちふす肝ニ於ケル諸病變ハ主トシテ肝臟組織ニ對スル菌毒素ノ直接傷害作用ニ因スルモ, 尚又2次的作用ニヨリテ組織變化ヲ惹起シ, 或ハ既存ノ異變ヲ増惡セシムルコト多シ.
9.ちふす, ぱらちふす病時ニ於ケル肝臟ノ病變ハ腎臟ノ夫レニ比シテ一般ニ可也顯著ナリ.是恐クハ細菌毒素ニ對スル臟器ノ親和力如何ニ關スルナラン.