日本細菌学雑誌
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細菌の栄養に関する研究
第12報ペプトンの再検討その3各種日本産ペプトンおよびカザミノ酸のアミノ酸組成
岡本 季彦竹森 栄子水野 伝一
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1960 年 15 巻 11 号 p. 1184-1188

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抄録
カザミノ酸5種, カゼイン製ペプトン4種, 毒素用ペプトン2種, 及び植物性ペプトン1種について, DNPアミノ酸のペーパークロマトグラフィーによつて遊離アミノ酸の分析を行つた。
カザミノ酸5種はいずれもTryptophanを欠き, Cystineが微量であつた。また製品によりMethionine, Phenylalanineの著しく少ないものと相当量ふくむものとがあつた。
ペプトンの分析はべプタイドの混入のため大体の組成しか求め得なかつた。カゼイン製ペプトンはカザミノ酸に比して, Glutamicacid, Asparticacid, Glycine, Serine, Threonine, Proline, 等の比率が低く, Leucine Isoleucine, Phenylalanine, Lysine等の比率が高い。また, 毒素用ペプトンはGlutamicacid, Asparticacid, Serine, Threonine, Prolineが低値で, Tyrosine, Phenylalanineは梢高く, Leucine, Isoleucine, Lysineはむしろ低値である。ペプトンはこれら遊離アミノ酸のほかに40~70%のベプタイドをふくんでいる。
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