日本細菌学雑誌
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ボツリヌス毒素とtheophylline誘導体との関係について
I. Theophyllineの毒素に対する延命効果について
佐藤 成美長野 すが高岡 栄二
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1980 年 35 巻 2 号 p. 419-422

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抄録
部分精製したボツリヌス菌A型(190株)毒素と数種のテオフィリン誘導体の混合液をマウスの腹腔内に注射して毒素に対する延命効果を検討した。テオフィリン誘導体の中で,テオフィリン,テオブロミン(それぞれ2.5mg/ml)は,毒素濃度(3.1×105LD50/mgN)に対して両者とも100%の生存率を示した。一定の毒素濃度(3.1×105LD50/mgN)に対して最も有効な延命効果を示すテオフィリンの量は,2.5mg∼3.5mgであつた。
テオフィリン濃度(2.5mg/ml)を一定にし,毒素濃度を変えた場合,高い濃度では,延命効果がなかつた。最初にマウスの腹腔内に毒素(3.1×105LD50/mgN)のみを注射し,その後時間を変えてテオフィリン(2.5mg/ml)を投与しても,またその逆を行つてもいずれも効果はなかつた。
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