結核菌青山B株と非病原性好気性の
Corynebacterium equi Ko-85株との間の共通抗原性について,旧ツベルクリンより抽出した粗タンパク分画TA
2とPPDおよび
C. equi Ko-85株より抽出した粗タンパク分画CPを用いて,血清反応,ゲル内沈降反応,皮内反応により両抗原の間の交差反応を検討して次の結果を得た。
1) 結核菌青山B株加熱死菌免疫ウサギ抗血清と
C. equi Ko-85株乾燥死菌免疫ウサギ抗血清をもちいて上記抗原による交差試験を行い,陽性の成績を得た。
2) 両免疫血清を用いてTA
2およびCPタンパク抗原感作赤血球による吸収試験を行つた結果,抗体価の減少が見られた。
3) ゲル内沈降反応(Ouchterlony法)では,両免疫血清とTA
2およびCPタンパク抗原との間に融合する沈降線が認められた。
4) 結核菌青山B株加熱死菌免疫モルモットと
C. equi Ko-85株乾燥死菌免疫モルモットでのPPD,およびCPタンパク抗原を用いて皮内反応交差試験を行つた結果,陽性の成績を得た。以上の結果から,結核菌青山B株と
C. equi Ko-85株との間には共通抗原性のあることが認められた。
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