日本細菌学雑誌
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モルモット腸内容物培地におけるClostridium perfringensの発育
坂本 憲市森永 信一山岸 高由小西 健一吉国 桂子
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1988 年 43 巻 5 号 p. 917-926

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抄録

モルモット腸内容物培地にClostridium perfringensの栄養型および芽胞型を接種した場合,高圧滅菌腸内容物培地中ではいずれも増殖性,芽胞化,発芽および生残性は良好であつた。未滅菌および上清腸内容物培地中では,栄養型を接種した場合,生残性および芽胞化は著しく悪く,この傾向は結腸内容物培地において顕著に認められた。芽胞型を接種した場合は,増殖性および発芽はほとんど認められなかつたのみでなく,芽胞型として接種菌量の1/10∼1/100程度に減少して生残した。
ミリポアフィルター〓過腸内容物培地中では,栄養型を接種した場合,高圧滅菌腸内容物培地中と同様な成績を示す場合と,未滅菌腸内容物培地中と同様な成績を示す場合があることがおかつた。このことは腸内においては外来性の微生物に対してその増殖,発芽および芽胞化に対して常在菌の影響のほかに易熱性の抑制因子が存在して働くことを示すものと考えられる。
胆汁酸の嫌気性菌に対する増殖抑制はC. perfringens>BifidobacteriumBacteroides>Peptostreptococcusの順に小となつた。C. perfringensと各種嫌気性菌を同量,同時にTF培地に接種した場合,互いにまつたく影響を及ぼさなかつた。各種嫌気性菌を前培養したTF培地にC. perfringensを接種した場合,その増殖性はグラム陽性菌群およびBacteroidesにより強く抑制され,接種菌量以下に減少した。一方,Fusobacteriumは何ら影響を与えなかつた。以上を総括するとモルモット腸管内では先住細菌もしくはその代謝産物が,C. perfringensの発育,定着性に対して大きな影響を及ぼしていることを示唆している。

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