日本細菌学雑誌
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New quipolone系抗菌剤のMycoplasma pneumoniaeに対する抗菌力
合原 幸子荒井 澄夫桑野 剛一川島 貴雅松浦 育子
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1992 年 47 巻 2 号 p. 387-393

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抄録

New quinolone系抗菌剤であるtemafloxacin, ofloxacin, ciprofloxacin, enoxacin, norfloxacinの5薬剤,および対照薬としてtetracycline, minocycline, erythromycin, josamycinのminimum inhibitory concentrations (MICs), minimum bactericidal concentrations (MBCs)を測定した。測定方法は寒天平板希釈法および液体培地希釈法によった。寒天平板希釈法でのMIC50, MIC90ではtemafloxacin, ofloxacin, ciprofloxacinがenoxacinやnorfloxacinに比して低いMICsを示した。次に寒天平板希釈法で比較的良好なMICを示した薬剤について,液体培地中でのMIC, MBCを検討した。erythromycinでは寒天平板希釈法のMIC値に比し,液体培地希釈法でのMIC値が約10倍高い値を示したが,その他の薬剤では寒天平板希釈法と液体培地希釈法でのMIC値は,ほぼ同じ値を示した。MBC値は薬剤により大きく異なり,temafloxacinやofloxacinのMBC値(MBC50, MBC90)は,そのMIC値に比し4倍の高値を示したが,ciprofloxacin, tetracycline, minocycline, erythromycin, josamycinではきわめて高い値を示した。
以上のことよりtemafloxacinやofloxacinでは,M. pneumoniaeに対しMIC, MBCの二つの検定法により,強い抗マイコプラズマ作用を有することが明らかとなった。

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