日本細菌学雑誌
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急性溶連菌感染後糸球体腎炎の関与抗原
山上 和夫吉澤 信行
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2003 年 58 巻 2 号 p. 451-465

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抄録
急性溶連菌感染後糸球体腎炎 (acute poststreptococcal glomerulonephritis; APSGN) はA群溶連菌 (group A streptococci; GAS) 感染後, 一定の潜伏期間を経て発症する急性の糸球体腎炎である。しかし, GAS抗原によるAPSGN発症の機構は未だ明らかにされていない点も多く残されている。筆者らは, GAS感染およびAPSGN発症にはGAS由来の特殊抗原蛋白質の生理活性とそれに起因する宿主の homeostatic pathway への影響が発症の引き金となることを提示して来た。すなわちGASの産生する plasmin binding proteins が宿主の plasmin (ogen) と複合体を形成し, この plasmin 活性が宿主の procollagenase や matrix metalloproteinase precursor を活性化する。発症は, これらの酵素活性による組織障害およびそれに続く抗原に対する宿主の免疫応答によるものと考える。本稿では筆者らがGASの cytoplasm から同定した nephritis-associated plasmin receptor およびその関連する抗原によるGAS感染とAPSGN発症への関与について概説する。
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