細菌を蛍光色素で染色し, 蛍光顕微鏡等を用いて直接観察することにより, その検出や生理活性の評価, 属種の区別を個体レベルで数分から1日以内に行うことができる。また細菌の遺伝子を標的とすることにより, 培養することなく特異的な検出や細菌群集構造解析が可能となる。これらの手法は培養を基本とする従来法と比較して短時間のうちに結果を得ることができるため, 培養法のもつ課題を解決するものとしてその応用が期待されている。本稿では蛍光染色法, 蛍光 in situ ハイブリダイゼーション法, 細胞内での遺伝子増幅法など, 細菌を可視化し迅速・高精度に検出する手法について概説する。さらに計数の簡便化・自動化のための取り組みについて紹介する。