抄録
1.前報において,耐寒性は種子莢の熟期と関係があることを予想したので,その次代検定を行なった。耐寒性検定は芽生の原砂質分離,低温処理(一2℃~一3℃),KC1O3に対する抗毒性によった。2.原形質分離はCaC2水溶液のみが,低温処理による被害と正の相関を示し,CO(NH2)2,KNO3,KCl十CaCl2(容積比8:2)等の試薬では全く相関はなかった。3.KC1O3に対する抗毒性と低温処理による被害との問には負の相関が存在する。4.上述の各処理による被害と種子葉の熟期との間には,明らかに高い相関がある。低温処理に強い系統の母樹は種子葉の熟期が挽く,低温抵抗の弱い系統の母樹は種子葉の熟期が早い。