育種学雑誌
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ハッカの育種学的研究 : 第11報銹病低抗性について
池田 長守青木 嘉夫宇渡 清六
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1961 年 11 巻 4 号 p. 269-276

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抄録
岡山地方に分布するハッカ銹病菌は,日本ハッカのほか,アメリカ産の近縁変種M.arvenis L. var. piperascensBRIQ,を侵して,はげしい害を与え,また,日本原産のヒメハッカ(M.japonica)を侵して軽微な害を与えた。その他の種に対しては,圃場ではもちろん,接種しても,病原性を示さなかった。日本ハッカの4倍体および3倍体各系統の鋸痛感受性は,それぞれの日本ハッカ原品種のそれと同様で,染色体数の倍加によって,日本ハッカの銃病r対する反応に変りなく,倍数性育種によって日本ハッカに,銹病抵抗性.を与えようと期待することは困離と考えられた。ところが,筆者は,画期的に銹病低抗性が強い,4倍体の1栄養系[P1]を選出1し,かつその性質が,優性に遺伝することを知ったが,これは,育種上意義の深い発覚である。日本ハッカ×ヒメハッカのF1は,日本ハッカと同様の銹病感受性を示したが,他のそれ自身免疫性を示す種と日本ハッカとのF1は,軽微た害をうけるか,または,全く害をうげなかった。このようた実験結果から,日本ハッカに銹病低抗性を与えるために種間交雑を行なうことは,効果的であると考えられる。
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