抄録
本研究は熱中性子,X線およびdiepoxybutaneについて,それぞれおおよそLD50付近の線量または濃度による水稲の乾燥種子処理のM2世代における葉緑素変'異,生存可能の可視的変異およびM3世代における量的形質の変異の出現率の比較を行なった。葉緑素変異の出現は熱中性子が最も大きく,X線処理がこれに次いで大きかったが,diepoxybutaneはかなり小さかった。生存可能の可視的変異の出現および量的形質の変異もおおよそ葉緑素変異の出現と平行的であったが,葉緑素変異に対する生存可能の変異の出現の割合や変異の内容についてはそれぞれのmutagenによって異なるように認められた。一方M2世代において葉緑素変異の出現した系統をもつM1の後代に形態的変異も出現しやすいことが認められた。これらの点から処理後代における葉緑素変異の出現は同時に生存可能の可視的ならびに量的砂質の変異の出現一の指標となりうるといえる。