育種学雑誌
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小麦の叢性に関する研究 : 第4報直立型と匍匐型小麦の感温・感光性について
西尾 小作中川 元興渡辺 進二牛腸 英夫
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1962 年 12 巻 2 号 p. 101-107

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抄録
(1)自然条件下において草型を支配している遺伝因子が明らかにされた品種を用いて,催芽種子に低温処理(O~2℃で60日間)を行って感温性と感光性が草型.の変化及び出穂の遅速について試験した・その結果次の事が判った。a)直立型は低湿処理を必要とせず、高温によって出j穂が著るしく促進され,長日によっても出穂が促進された(新中長,農林20号)。b)衛飼型中には低温処理を必要とせずナ長日のみによって直立型に変化する品種が存在した(Ceres)。C)衛飼型中には低温処理を必要とするが,その後の生長には日長の影響は少なく,専ら高温によって直立型に変化する品種が存在した(Wichita)。d)衛倒型中には低温処理を必要とし、その後の生長に日長の影響を受け,高温の影響は日長の長短によって左右される品種が存在した(Pawnee,農林8号,大井上)。以上の結果を一覧表にすると第3表の通りである。(2)衛飼型は草型の一種であって一般に低温を必要とする期間に示されるが,必らずしも低温だけで示されるものではなく,伸長に不利な環寛下においては直立型に変化し得るにも拘らず衛衛している場合も表)る。しかし,葡衛型が直立型に変化した後は生育に不利な状態においても生長が停止するだけで衛衝型には戻らない。
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