育種学雑誌
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カミツレの人為倍数体と子孫における染色体数
光岡 祐彦
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1963 年 13 巻 2 号 p. 133-136

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抄録
コルヒチン処理によりカミツレ(Matricaria chamomilla L.,2n=18)の4倍体を得,真正4倍体のみを選抜した結果,処理次代(C2)に40.5%しか見られなかった真正4倍体がC4代で72.1%と向上し,その効果が認められた。2)4倍体カミツレは2倍体に比べ頭状花は巨大性を示したが分茎数,個体当りの頭状花数が少たいため,株当り乾燥花収最は2倍体と殆んど差はなかった。3)異数性4xと真正4xを比較して特に形態の上でこれを区別することは出来たかった。4)4xカミツレの成熟第2分裂における娘核への染色体数の配分から予想される次代の染色体数は,真正4xが実験値においては理論値よりやや高率に現われた。これより異数性の配偶子,接合子が受精,生育の過程で淘汰されることが予想された。
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