育種学雑誌
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創成ナプスの育種学的研究 : 第I報 Brassica campestris 群と B.oleracea群との雑種とその次代植物
皿嶋 正雄
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1964 年 14 巻 4 号 p. 226-237

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抄録
1.本報告はナプス創成を目的として1950~1960年の間,Brassica 属のn=10群とn=9群間で11,505花の交雑を行った結果得た雑種植物のF1及びF2について観察したものである。2.交雑の結果は第3表および第4表のとおりで5個体の雑種植物を得た。うち2個体は1952年蕾授粉により,2個体は1957年重複授粉法により,1個体は1957年死花粉補助法によって得た。母本植物(n=10)の柱頭上に母本植物の花粉(生花粉・死花粉)をあたえることは,父本植物(n=9)の花粉発芽,花粉管伸長,受精に好結果をもたらしものであり母本植物(n=10)柱頭上の生理的な条件に変化をあ.たえたものと考える。3.F1植物はCO-1~5と称した。CO-1~4の染色体数は2n=19であり,CO-5の染色体数は2n=29であった(Eigs.1,7,8,9,13;Photoes.1,2,3,4,5)。前者は両親の染色体数の和であり,後者は母本に用いた4倍体植物のn=20の染色体数と,父方のn=9の染色体数の和であった。
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