育種学雑誌
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選択受精に関する育種学的研究 : I. 白菜 : 2. 各種の受粉法によって確めた選択受精の機構
村上 寛一
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1964 年 14 巻 4 号 p. 238-246

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抄録
1)前報で白菜の品種間に選択受精があることを確めえたので,さらにその機構を明らかにするため,花心白菜と松島新2号白菜の組合せで花心白菜を雌とし,主として各種の混合受粉法によって本研究をすすめた。2)両品種の混合花粉を花心白菜に受粉させて,莢の頂部と基部との品種間交雑率をしらべた結果(Table 1),基部での品種間交雑率が高く,機構として両品種花粉間の競走を一応考えた。しかし混合受粉後一定時間経て花柱の切断を行なった実験では,各切断区間に交雑率について有意差がたいこと(Table 2),および二重受粉実験で交雑率の低下という予期の結果を示さない個体が認められること(Fig,1)から,白菜の選択受精は両品種花粉間の単純な競走によるものではないとした。
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