抄録
トマトの腋苗条は葉および花房分化の様式から,0型I型,II型およびIII型の4基本型に分けることができる。正常型は基本的にIII型のみからなり,芯止り型はこれらすべての型を含み,その出現頻度によって品種の芯.止り性に差を生ずる。腋苗条の4基本型に対して0から3までの点数を与え、芯止り性を量的に扱った。主枝と側枝の芯止り性には強い品種間相関が認められた。また主枝の第2腋苗条までの平均点数によって品種間差を比較できることを示し,これを品種の芯止り指数、と名づけた。芯止り型の品種の間には極端に芯止り性の強いものから正常型に近いもの重で連続的な変異が存在した。芯止り型同志のF1における芯止り性の程度は一般に両親の中間となり,芯止り性の強い方が部分優性である可能性も認められた。また芯止り性程度に関係なく,芯止り型、は正常型に対して完全劣性であった。稿を終えるに当り,種々御便宜をはかって戴いた北海製缶缶詰研究所の山本茂雄技師,道立農試種芸部の高橋総夫技師,並びに調査に御助力戴いた平晃,渡辺洋一・両技師に深く感謝致します。