育種学雑誌
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落花生の形質組合せに関する育種学的研究 : II. Virginia, SpanishおよびValencia間交雑のF2世代における遺伝相関と表現型相関
赤藤 克巳川端 習太郎
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1965 年 15 巻 3 号 p. 167-170

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抄録
1.前報に引きつつき,落花生育種における異type間の形質組合せの可否ならびに,落花生品種の分化について考察をすすめるために,Virginia,SpanishおよびValenciaの各type相互間交雑のF23系統について,15形質のあらゆる組合せにおける表現型相関ならびに遺伝相関を求めた。2.遺伝相関と表現型相関の各値は,きわめて類似しているが,全般的には,表現型相関よりも遺伝相関のほうが絶対値が大きくなる傾向がうかがわれる。もっとも高い値を示すのは,粒の大きさおよび植物体の大きさに関係する講形質相互間においてであるが,これらはpleiotropyの現象によると理解しても大過なきものと考えられる。さらに二,三の形質間だとえば草型指数と小葉長などの問にも,かなりの相関が認められるが,全体的には,ほとんどの形質問に相関が認められないか,認められても,きわめて低い値である。とくに開花日および含油率については,他のいずれの形質ともほとんど相関が認められない。3.参考までに求めたF2世代における広義の遺伝カは,いずれの形質もきわめて高く,とくに,草型指数および主校長はそれぞれ,0.89および0.82となっている。4.これらの結果から落花生育種における異type間の形質組合せの可否ならびに品種分化について二,三の考察を行なった。
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