抄録
すでに報告したように、有限伸育性品種は、主茎の花芽分化開始と葉芽分化終了とが、ほとんど同時で、栄養生長より生殖生長えの転換が速やかに行なわれるのに反し、無限伸育性品種は、花芽分化開始後もしばらく葉芽分化が併行して行なわれ、その転換する時期が長く、両者がある期間併行して行たわれる(永田,1950;NAGATA1960a,b,c)。これらの差異が原因となって、これまで指摘してきたように開花期間に差が生じ、さらに開花より成熟までの結実日数にも差が生ずる。これらのことは、有限、無限伸育性品種の開花後の個々の莢、種子の生長、成熟の過程に差のあることを示すものである。とくに無限伸育性品種の種子用としての栽培価値を考える際、検討されるべきことである。よって、本報では、有限、無限伸育性品種について、開花時期を異にする莢、種子の生長過程を追跡した結果を述べ、実用的価値との関係を考察する。