抄録
イネ縞葉枯病低抗性の日本陸稲と感受性の日本水稲との間の4組合せを用いて、低抗性遺伝子の分析を行なった。抵抗性の検定は桜井ら(1963)の幼苗検定法により行ない、幼苗の反応型により、感受性反応群・低抗性反応群・無発病群の3群に分類した。F1、Bs、Br、F2個体およびF3系統の検定結果から、日本陸稲の低抗性は2対の優性補足遺伝子St1およびSt2により支配されていることが認められた。また、無選抜の水陸稲間交配のF5集団についても2対の優性補足遺伝子仮定による分離比とよく一致した。日本陸稲の低抗性は2対の優性補足遺伝子支配であるから、低抗性水稲品種の育成には戻し交配育種法が有効に利用できる。