育種学雑誌
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イネ属の人為倍数体に関する細胞遺伝学的研究 : V.不稔性複2倍体sativa-officinalis(AACC)について
渡辺 好郎小野 信一
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1973 年 23 巻 2 号 p. 67-70

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抄録
Oryza sativa L. (AA、2n=24)とO. officinalis Wall. ex Watt(CC、2n=24)のF1の茎のコルヒチン処理、あるいはコルヒチンであらかじめ倍加しておいた両種の同質4倍体同志の交配から4倍性の複2倍体sativa-officinalis(AACC、2n=48)を得た。小穂は葯の発達不良または欠除を示し花粉を作らないが、子房は小形ながらsativaの花粉で若干の雑種種子を着けた。本復2倍体が、さきに報告した6倍性の複2倍体、sativa-minuta(AABBCC、2n=72)およびsativa-latifolia(AACCDD、2n=72)と同様な雄性不稔を示したことから、その不稔の原因はこれら3種の複2倍体に共通して存在するAゲノムとCゲノム間の相互作用によるものであろうと推定した。
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