抄録
Oryza sativa L. (AA、2n=24)とO. officinalis Wall. ex Watt(CC、2n=24)のF1の茎のコルヒチン処理、あるいはコルヒチンであらかじめ倍加しておいた両種の同質4倍体同志の交配から4倍性の複2倍体sativa-officinalis(AACC、2n=48)を得た。小穂は葯の発達不良または欠除を示し花粉を作らないが、子房は小形ながらsativaの花粉で若干の雑種種子を着けた。本復2倍体が、さきに報告した6倍性の複2倍体、sativa-minuta(AABBCC、2n=72)およびsativa-latifolia(AACCDD、2n=72)と同様な雄性不稔を示したことから、その不稔の原因はこれら3種の複2倍体に共通して存在するAゲノムとCゲノム間の相互作用によるものであろうと推定した。