育種学雑誌
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トウモロコシの細胞質雄性不稔性に関する生化学的研究 : 花粉の発育過程におけるチトクロームオキシダーセ活性及びリンゴ酸脱水素酵素活性の変化
大政 正武渡辺 好郎村田 伸夫
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1976 年 26 巻 1 号 p. 40-50

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抄録
細胞質雄性不稔性の発現とミトコンドリアの関係を調べる目的で,ミトコンドリアに存在する酵素のうちチトクロームオキシターゼ(cyt.oxidase)及びリンゴ酸脱水素酵素(MDH)の活性を,花粉形成時期の葯について測定し,その値を正常細胞質(N細胞質)をもつ系統と不稔細胞質をもつ系統の間で比較した。トウモロコシの材料は,N及び不稔のT,S,または,C細胞質をもつWF9系統を用いた。花粉彩成時期のトウモロコシから雄穂を採集し,その一部を酪酸アルコール混合液で固定して顕微鏡観察により花粉のステージを決定した。雄穂の残りの部分から既知量の葯を採集し,蔗糖溶液中でホモジネートにしたのち,遠沈により,「沈殿分画」,「ミトコンドリア分画」及び「上澄」の3分画に分けた。各分画についてcyt.oxidase及びMDH活性を測定し,それぞれの生体重1g当りの値を求めた。また,雄穂と同時に止葉を採集し,その一部を同様にホモジネートにして酵素活性を測定した。
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